早い人は30代の患者様が服用しているのを拝見することがあるお薬です。
日々の生活の忙しさや、食生活の乱れ、運動不足など様々な理由で服用されています。
どんな種類のお薬があるのか把握しているでしょうか?その使い分けは?
またどんな目的で薬を服用しているのか確認していきたいと思います。
薬の種類
●スタチン系(LDL↓↓↓ TG↓ HDL↑)
HMG-CoA還元酵素阻害薬を阻害してコレステロール合成を阻害する薬。
特にLDLコレステロールを下げる効果が高いです。
スタチン系には2種類あり、先に開発されたスタンダートスタチンと後に開発されたストロングスタチンとに
分けられます。
LDLコレステロールを下げる作用は、スタンダートスタチンが15%程度、ストロングスタチンが30%程度と言われています。
| スタンダートスタチン | メバロチン(プラバスタチン)リポバス(シンバスタチン)ローコール(フルバスタチン) |
| ストロングスタチン | リピトール(アトルバスタチン)リバロ(ピタバスタチン)クレストール(ロスバスタチン) |
●陰イオン交換樹脂(LDL↓↓ HDL↑)
腸管内で胆汁酸を吸着し、胆汁酸の排泄を促進させる。
不足した胆汁酸を補うためにLDLコレステロールが使われることで
血中のLDLコレステロールを減少さます。
HDLはあまり変化しません。
コレバインとクエストランの2種類があり適応症が異なるので注意が必要です
高コレステロール血症治療薬の第一選択薬とはならず、コンプライアンスが低下しやすい
●小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(LDL↓↓ TG↓ HDL↑)
小腸粘膜にあるコレステロールを特異的に認識する蛋白を阻害する薬。
食事と胆汁由来のコレステロールの吸収を阻害することで、血中LDLコレステロールが減少させます。
コレステロール吸収を選択的に阻害するため、使用せしビタミンの吸収には影響を与えることはないようです。
ゼチーア(エゼチミブ)もしくは、スタチン系の配合剤として使用されます。
●フィブラート系(LDL↓ TG↓↓↓ HDL↑↑)
3つの効果がある薬です
・PPARαを活性化することで脂肪酸のβ酸化を促進することでトリグリセリド(TG)やLDLコレステロールの合成を低下。
・血管内皮のリポ蛋白リパーゼを活性化しTGを減少させる。
・HDLの構成タンパク質の転写を促進して、HDLコレステロールの増加にも寄与する。
第一世代のクロフィブラート、クリノフィブラートがあり
第二世代のベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラートがあります。
高トリグリセリド血症に対して最も効果的な薬剤と言われています。
●ニコチン酸誘導体(LDL↓ TG↓↓ HDL↑)
抹消脂肪組織の脂肪分解を抑制し遊離脂肪酸を減少させます。
またリポ蛋白リパーゼを活性化することでVLDL→LDLの異化を促進させる効果を持ちます。
ニコチン酸誘導体はトリグリセリドを20%〜25%減少させると言われてます。
ユベラNとコレキサミンの2種類があります。
●プロブコール(LDL↓ HDL↓↓)
コレステロールの胆汁中への異化排泄促進作用が主で、コレステロール合成の初期段階の抑制作用を有するお薬です。
LDLコレステロール以外にHDLコレステロールに対しても低下作用があるため、使い所の難しいお薬です。
シンレスタールやロレルコが該当します。脂溶性が高く、脂肪組織に蓄積するお薬です。
効果消失まで投与中止1ヶ月近くかかるので注意が必要です。
●EPA製剤(TG↓)
EPAは魚の油が原料となっているお薬です。
EPAは肝臓での脂質の合成・分泌を抑え、トリグリセリドの分解を促進する事により血液中の脂質を低下させます。
またEPAなどのオメガ3-脂肪酸製剤は、血小板凝集作用や血管壁に入り動脈の弾力性を保持するなどの効果もあります。
よって、閉塞性動脈硬化症やそれに伴う疼痛や冷感などの改善に使用されます。
エパデールやロトリガの2種類があります。
ワルファリンやアスピリンなど、血液をサラサラにするお薬とは併用注意となります。
脂質異常症患者の目標
脂質異常症の治療目標ってご存知ですか?
血清脂質値を良くすることが目標ではないんです。
最終的な目標は動脈硬化性疾患を予防することにあります。
なので実質的な脂質の数値はあまり意識しなくても良とされています。
大切なことは動脈硬化性心疾患の発症リスクを減少させることです。
脂質異常症の治療を行うことと、それを継続していくことが重要と言えます。
薬物治療と継続して生活習慣を改善していくこを患者様へ伝えていく必要があります。
まとめ
今回は脂質異常症の薬についてまとめました。
患者様の数値によって使う薬が変わります、それぞれの薬の特徴を知ることで
服用しているお薬でどの数値に異常があるのか予想できるようになったかと思います。
異常値がわかれば、それに対する養生法などアドバイスでき服薬指導の幅が広がっていくと思います。
生化学など体の複雑な反応を理解することで薬の上手な使い方もわかってきます。
より良い服薬指導のために勉強を続けていきましょう。
参考
改訂版 類似薬の使い分け
違いわかる! 同種同効薬
レジデントノート 新・日常診療での薬の選び方・使い方