脂質異常症

【脂質異常症03】フィブラート系の違い

脂質異常症のお薬にフィブラート系というお薬があります。
スタチン系に続き使用頻度の高いお薬です。
多くのフィブラート系のお薬がありますが、何が違うのでしょうか?
今回はフィブラート系の違いについてまとめていきたいと思います。

クロフィブラート

適応:高脂質血症

用法用量:成人1日750~1500mgを2~3回に分けて経口投与

禁忌:石又はその既往歴のある患者 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦

排泄:腎排泄型

その他の特徴:
・第一世代
・後発品しか販売していない
・TG:1000mg以上のFredrickson分類Ⅰ型への効果は検討されていない

ベザトールSR(ベザフィブラート)

適応:高脂血症(家族性を含む)

用法用量:1日400mgを2回に分けて朝夕食後に経口投与

禁忌:
人工透析患者(腹膜透析を含む)
腎不全などの重篤な腎疾患のある患者
血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性

排泄:腎排泄型

その他の特徴:
・第二世代
・徐放剤なので簡易懸濁・粉砕不可
・腎機能により用量調節必要
・インスリン抵抗性を改善
・ベザフィブラート SR 400mg =リピディル 80mg(ベザフィブラート SR 266mg =リピディル 53.3mg)

リピディル、トライコア(フェノフィブラート)

適応:高脂血症(家族性を含む)

用法用量:1日1回106.6mg~160mgを食後経口投与【最大160mg】
年齢、症状により適宜減量する。

禁忌:
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
肝障害のある患者
血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者
胆のう疾患のある患者[胆石形成が報告されている。]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦

排泄:腎排泄型

その他:
・第二世代
・肝機能異常を生じやすい
・尿酸低下作用を持つ
・TG:1000mg以上のFredrickson分類Ⅰ型への効果は検討されていない
  Fredrickson分類IIb及びIII型には、1日投与量を106.6mgより開始。
 【高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクター:1日投与量を159.9mg~160mg】
・Fredrickson分類IV及びV型には、1日投与量を53.3mgより開始。【低用量で効果あり】
・肝機能検査に異常のある患者又は肝障害の既往歴のある患者には、1日投与量を53.3mgより開始すること。【肝障害は禁忌
・ジェネリックにカプセル剤あり【カプセル67mg=錠剤53.3mg、カプセル100mg=錠剤80mg】

パルモディア パルモディアXR(ペマフィブラート)

適応:高脂血症(家族性を含む)

用法用量:
普通錠:1回0.1mgを1日2回朝夕に経口【最大量:1回0.2mgを1日2回まで】
XR錠:1回0.2mgを1日1回経口投与【トリグリセライド高値の程度により、1回0.4mgを1日1回まで増量できる】

禁忌:
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重篤な肝障害、Child-Pugh分類B又はCの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者
胆石のある患者[胆石形成が報告されている。]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
シクロスポリン、リファンピシンを投与中の患者

排泄:胆汁排泄型

その他の特徴:
・世界初の選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)
・腎機能低下時は減量が必要
・スタチン系との併用で中性脂肪の改善効果あり
・スタチン系との併用調査がされており大きな変化はないとの報告あり(シンバスタチン以外)
・1日1回製剤と2回製剤がある
・XR錠は情勢のため粉砕不可(Extended Release 製剤の略)

選択方法の基準

フィブラート系は高トリグリセリド血症に対して最も効果的な薬剤と言えます。
一方で、心血管イベントへの影響の有無に関しては明確ではないとされています。
基本的にはスタチンを使用して、合併症や効果の有無でフィブラート系を併用していく事が多いように感じます。

フィブラート系にはTGの低下作用以外にもHDL‐Cの数値を改善する効果があります。
また、お薬別に他の代謝異常を改善する効果があるので、患者様ごとの合併症によりフィブラート系が選択されていると考えられます。
従来のフィブラート系薬はPPARαへの選択性が低く、肝機能の悪化やクレアチニン上昇等の副作用や、スタチン系との併用で
横紋筋融解症のリスクが上がるなど使いづらい印象でした。
ですが、新しく発売されたパルモディアでは、他のスタチン系と併用しても相互作用の影響がほぼ無いというデータも出ています。
TGの低下による心血管イベントの抑制データが増えれば、多くの患者様の選択肢になるかと思います。

リポタンパク質のパターン(Fredricksonの表現型)

脂質異常症は古典的には脂質およびリポタンパク質の上昇パターンによって分類された(Fredricksonの表現型)。より実用的な体系としては脂質異常症を原発性と二次性に分け,さらに以下の特徴によって分類するものである:

  • コレステロールのみの増加(純粋または孤立性高コレステロール血症)
  • TGのみの増加(純粋または孤立性高トリグリセリド血症)
  • コレステロールおよびTG両方の増加(混合型高脂血症)

この体系では,コレステロール濃度やTG濃度が正常範囲内にあっても疾患に寄与しうる特定のリポタンパク質異常(例,低HDLまたは高LDL)は考慮されていない。

表現型上昇するリポタンパク質上昇する脂質
IカイロミクロンTG
IIaLDLコレステロール
IIbLDLおよびVLDLTGおよびコレステロール
IIIVLDLおよびカイロミクロンレムナントTGおよびコレステロール
VLDLTG
カイロミクロンおよびVLDLTGおよびコレステロール
Fredricksonの表現型

LDL = 低比重リポタンパク質;TG = トリグリセリド;VLDL = 超低比重リポタンパク質。
【参照:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/10-%E5%86%85%E5%88%86%E6%B3%8C%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%A8%E4%BB%A3%E8%AC%9D%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%84%82%E8%B3%AA%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E8%84%82%E8%B3%AA%E7%95%B0%E5%B8%B8%E7%97%87一部改変】

まとめ

今回はフィブラート系についてまとめました。
フィブラート系は血中TGを有意に低下させ、HDL‐Cを増加させます。
スタチン系との併用は原則禁忌となるため併用の際は横紋筋融解症に注意しましょう。

また、多くのフィブラート系で腎機能により用量調節が必要となります。
フェノフィブラートに関しては肝機能異常に注意して監査を行うようにしましょう。
フィブラート系の使い分けとしては、高脂血症以外の合併症により選択するとより効果的です。
ペマフィブラートは併用禁忌の薬があるので監査時は該当のお薬を飲んでいないか注意して監査を行って下さい。

スタチン系との併用は原則禁忌となっていましたが、新薬の開発で併用できるフィブラート系も
今後開発されていくと思われます。
高脂血症や家族性高コレステロール血症の患者様は増えていると言われています。
服用しているお薬に注意し適切なお薬が選択されているか、薬物相互作用に注意して監査していきましょう

参考させていただいた資料&ホームページ:

各種添付文書、インタビューフォーム
改訂版 類似薬の使い分け
違いがわかる!同種・同効薬
https://gifu-min.jp/midori/document/576/sisitu9.pdf
https://www.mmwin.or.jp/html/med/topic05.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/202307/580516.html

  • この記事を書いた人

KUSURIno

処方薬と市販薬の医療情報サイト「Kusurino」を運営。 ドラッグストアと保険調剤薬局の経験を持つ現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として提供します。

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