漢方薬

【漢方薬05】安中散の特徴と考え方

構成生薬

生薬名効果
桂皮(ケイヒ)発汗作用  発散作用  健胃作用  のぼせを治す作用  鎮痛作用  解熱作用
牡蛎(ボレイ)鎮静作用  収斂作用  制酸作用  止汗作用
縮砂(シュクシャ)理気作用  健胃作用  整腸作用
延胡索(エンゴサク)月経調整作用  鎮痛作用
茴香(ウイキョウ)理気作用  健胃作用  鎮痛作用
良姜(リョウキョウ)興奮作用  健胃作用  鎮痛作用
甘草(カンゾウ)緩和作用  止渇作用  止痛作用
構成生薬・効果

各会社によって構成生薬の配合比率が異なるので注意して下さい。
(配合比は違いますが、同じような効果を示すと言われています)

安中散はメーカーごとに2パターンの違いがあるようです。
「東洋」の安中散のみ構成生薬が異なっていました。
延胡索と牡蛎以外の生薬が多く配合されいているようです。
また、「オースギ」や「コタロー」からは錠剤やカプセルの販売が有ります。
医師によってはこの患者さんの症状に合わせて漢方薬を使い分けている場合があるので注意しましょう

販売製薬会社(医療用)と効能効果

安中散の効能効果は添付文書によると

やせ型で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があって、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、はきけなどを伴う次の諸症:
神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー

となっております。
また、コタローの安中散エキス細粒のみ異なっており、

冷え症、神経質で、胃痛や胸やけのあるもの。
胃腸病、胃炎、胃酸過多症、胃潰瘍による胃痛。

表記は若干違いますが、胃腸症状に使う点はあまり変わりないようです。

メーカーごとの味や剤形、特徴についてまとめます。

メーカー剤形その他の特徴
JPS甘みとわずかに苦み顆粒
東洋わずかに甘い細粒構成生薬量若干多い
オースギ甘く、辛い顆粒錠剤あり
クラシエわずかに辛く甘い細粒分2の包装と分3の包装あり
コタローやや甘い細粒カプセル剤あり
細粒:適応若干違う
ツムラわずかに苦い顆粒
本草初めやや甘く、後にわずかに辛い顆粒
特徴一覧

以上9種類(7社)の安中散があります。
各メーカーさんによる構成生薬の違いはほぼありません。
また、散剤以外の剤形を出しているメーカーさんも有るため、粉が苦手な患者様にも飲みやすい漢方薬です。
基本的には上部消化管症状に使用します。

味は全メーカーとも甘みと苦みのある漢方薬となっています。
味を気にする患者様は多いですので、そういった患者様にも錠剤やカプセル剤は紹介しやすい漢方薬となります。

・特徴と使い方

安中散は、内蔵を温めることを目的とした漢方薬となります。
暴飲暴食で胃がモタれるといった症状よりも、神経を使うことによりおきる、ストレス性の胃症状に使うと良いと言われています。
また、体が冷えやすい人の胃症状にも適していると言えるでしょう。ストレスがたまると胃の血流量が減り、胃の動きが悪くなる、
と言われています。安中散は内臓を温め血流を改善することから、痩せ型で筋肉量が少ない冷えやすい人に適している漢方薬となります。

構成している生薬を見てみても、経皮や茴香、縮砂や良姜などハーブやスパイスとして使われる生薬が多く使用されています。
これらの生薬の辛味成分や芳香成分により、内臓の血流量や、蠕動運動を促進し胸焼けやゲップ、食欲不振を改善していくと言われています。
体力が中程度以下の患者様には安中散が良いとされ、中等度以上の患者様には柴胡桂枝湯を使うなど、
体力の有無によって使い分けされることがあるようです。

また、安中散には延胡索という生薬も使われています。
この漢方は鎮痛効果を持つとされており、この生薬が配合されているため、安中散は温めるだけでなく、
痛みにも効果があると言われています。
この鎮痛効果は胃だけではなく、他の臓器にも効果があると言われており、芍薬甘草湯といっしょに服用することで
月経痛にも有効となるそうです。

まとめ

安中散は胃腸症状に使う漢方薬です。
その特性上、暴飲暴食による胃腸症状よりも、ストレスや冷えなどで起こる胃炎や慢性的な胃炎により効果的な漢方薬です。
そのため、体力が比較的弱く、痩せ型の人に適しています。
内蔵を温める生薬が多く配合されていますが、鎮痛効果のある生薬も含まれているため、他の漢方薬と組み合わせることで
月経痛などにも有効となる漢方薬です。

漢方の勉強をしていく中で、添付文書にはない応用的な使い方も考えることができるようになります。
患者様が服薬したくなるような指導をしていけるよう、
広く深い知識を蓄えていきましょう。

参考にさせて頂いた資料&ホームページ
安中散 添付文書各種
https://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
http://www.halph.gr.jp/
https://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2447.pdf
https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/012-2.html
https://www.meijo-u.ac.jp/sp/harbal_medicine/2023/105.html

  • この記事を書いた人

KUSURIno

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