漢方薬

【漢方薬16】半夏厚朴湯の特徴と考え方

構成生薬 

生薬名 効果
半夏(はんげ) 鎮吐作用  去痰作用  平喘作用
茯苓(ぶくりょう) 利尿作用  鎮静作用  健胃作用  対めまい作用  
厚朴(こうぼく) 健胃作用  鎮吐作用
蘇葉(そよう) 鎮咳、去痰作用
生姜(しょうきょう) 発散作用  健胃作用  食欲不振作用  

半夏厚朴湯は9社販売しています。
各メーカーによって構成生薬の配合比率が異なるので注意が必要です。

半夏厚朴湯は5種類の生薬から構成される漢方薬となります。

錠剤の販売があるのは「オースギ」と「クラシエ」となっています
細粒や顆粒剤では味がネックで服用できないという患者様も多いと思います。
そんな患者様には、オースギ製薬やクラシエ製薬の商品が選択肢になるかと思います。

販売製薬会社(医療用)と効能効果

半夏厚朴湯の効能効果は添付文書によると

気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:
不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声

となっています。
適応の表記が異なるメーカーさんは
「コタロー」「ツムラ」「三和」さんの3社です。
それぞれ

コタロー

精神不安があり、咽喉から胸元にかけてふさがるような感じがして、胃部に停滞膨満感のあるもの。
通常消化機能悪く、悪心や嘔吐を伴うこともあるもの:

気管支炎、嗄声、咳嗽発作、気管支喘息、神経性食道狭窄、胃弱、心臓喘息、
神経症、神経衰弱、恐怖症、不眠症、つわり、その他嘔吐症、更年期神経症、浮腫、神経性頭痛。

ツムラ

気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:
不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症

三和

精神不安があって咽喉から胸もとにかけて、ふさがるような感じがして胃部が重苦しく、
不眠・恐怖感、食欲不振、咳嗽などを伴うものの次の諸症:

気管支喘息、気管支炎、百日咳、婦人悪阻、嗄声、胃神経症、更年期神経症、神経性咽頭痛、ノイローゼ

となっております。

メーカーごとの味や剤形、特徴についてまとめます。

メーカー 剤形 その他の特徴
東洋 わずかに甘い 細粒 生生姜使用
オースギ 初め辛く、後わずかに苦い 顆粒  
クラシエ わずかに甘く苦い 細粒 錠剤あり
生姜:多い
コタロー やや苦い 細粒  
ジュンコウ わずかに甘い 細粒 錠剤あり
ツムラ 甘くて辛い 顆粒  
三和 辛く、やや苦い 細粒  
太虎堂 わずかになまぐさい 顆粒 蘇葉:多い
本草 やや苦い 顆粒  

以上11種類(9社)の半夏厚朴湯があります。

クラシエ製薬、コタロー製薬から錠剤のの販売があります。
細粒や顆粒剤が苦手とい患者様の選択肢になるかと思われます。

味は甘みと苦みを主とする漢方薬です。
個人的には甘みと苦みが一緒にあるものは苦みが強調されるので
若干飲み辛い部類に入るのではないでしょうか?

・特徴と使い方

特徴

半夏厚朴湯は喉の症状や胃の症状を改善すると言われている漢方薬です。
体の気の巡りを改善すると言われています。
漢方薬の代表的な「気剤」と言われています。

【気剤気の衰え、停滞、上衝などを改善する漢方薬】

体力的には低~中程度の人で精神的なストレスを強く受けている人に処方される漢方薬です。
喉の症状としては、器質的な原因の無い喉の違和感や喉の引っかかりに使用される漢方薬です。
つまり、痛みや炎症はそれほどではないが、なんとなく変な感じがするという時に使用できるので。
抗炎症剤や鎮痛剤を使うまでは無いんだけどなんか変、という時に重宝する漢方薬です。

また。風邪の症状が改善した後の長く残っている咳にも使用されることがあります。
この場合は感染症や炎症からくる痰が絡むような咳ではなく、渇いたような咳や気圧の変化で生じる咳に効果があると言われています。


胃の症状としては、主にストレスからくる胃炎に使われます。
ストレスや緊張を感じると胃がムカムカしたり、重くなるような症状に効果的と言われています胃弱や胃アトニーにも処方されることがあります。
また妊婦さんのつわりにも効果があると言われています。
一方、感染症由来の嘔吐や胃炎。薬剤性の胃炎などにはあまり効果が無いようです。

生薬の役割

半夏厚朴湯は「気の巡り」と「水の循環」を目的に誕生した漢方薬です。
木の巡りを良くし、胃より上の水の滞りを取り除くとされています。
それにより胃より上のつまりを改善し症状を緩和すると言われています。

「半夏」と「厚朴」これらの2つの生薬は胃から上部の水の巡りを改善すると言われています。
「生姜」に「蘇葉」を加えることで胃より下で滞ってしまった水の流れをより改善します。
「茯苓」は胃に滞った水が頭の方に溢れるのを改善し、めまいや胸の息苦しさを改善すると言われています。

これらの効果を総合することで、胃や喉、肺のつまりを改善し症状を緩和すると言われています。

まとめ

半夏厚朴湯は気と水の流れを改善することで症状を緩和する漢方薬です。
胃より上に生じる詰まり感や引っ掛かりに効果があるとされています。

気の巡りを改善する「気剤」の代表例と言えます。
痛みや炎症は無いが、なんだか喉に違和感があったり、
胃や食道に不快感がある時など、
鎮痛薬や抗炎症薬では対処し辛い時に使ってみる価値のある漢方薬です。
また風邪を引いた後に長引く咳症状にも効果があると言われています。

漢方薬や構成される生薬を勉強していくと、多くの漢方薬の作成された意図や
応用の使い方を覚えていくことができます。
患者様に適した漢方薬の使い方をお伝えできるよう勉強していきましょう。

 


半夏厚朴湯 添付文書各種
https://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
http://www.halph.gr.jp/
https://kanpousakamoto.jp
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/digital/201208/526260.html

  • この記事を書いた人

KUSURIno

処方薬と市販薬の医療情報サイト「Kusurino」を運営。 ドラッグストアと保険調剤薬局の経験を持つ現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として提供します。

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