α1遮断薬
前立腺や尿道のα1受容体を遮断し、排尿困難を改善する。第一選択薬。
前立腺の縮小や尿道の拡張といった作用がある。
α1受容体は3つのサブタイプがあり
α1Aは前立腺肥大組織に多く分布しているとされる。
α1D受容体は前立腺の平滑筋と膀胱頸部平滑筋に存在する。
α1B受容体は血管平滑筋に存在する。
血管のα1受容体を遮断することで血管を拡張させ、血圧を下げる効果もある。
降圧作用を期待して、高血圧治療薬として使用するものもあれば、
起立性の低血圧などの副作用となる場合がある。
こと前立腺に関して言えば、前立腺は尿道を覆うように存在しているため、
前立腺が肥大することで尿道が狭くなり、尿が出にくくなる。
排尿が上手くいかないことで、膀胱内の残存尿が多くなり尿意を感じても十分な量が排尿されない。
それにより、残尿感を感じたり、排尿量が少ないのですぐに膀胱がいっぱいになりトイレの回数が増えるといった
頻尿症状が起きる。
前立腺肥大による排尿困難の改善はあるが、前立腺そのものを小さくするわけではないので注意
術中虹彩緊張低下症候群(IFIS):
α1受容体遮断薬を服用している白内障患者の手術中に虹彩の緊張が低下して軟らかくなるといった報告がある。
IFISが生じた場合、手術の妨げになる
術者が事前に情報を得ていれば対処可能なので、白内障手術をする際は術者に情報提供を行うよう説明する。
一般的に休薬の必要は無いとされている。
タムスロシン(ハルナール)
規格:D錠0.1mg/0.2mg
後発品:あり【OD錠0.1mg/0.2mg カプセル0.1mg/0.2mg】
・α1A受容体選択的阻害薬
・選択性はα1A>α1D≫α1Bと言われている
・前立腺や尿道のα1受容体を遮断する
・徐放性があるため、起立性低血圧が起こりにくいと言われている
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:A
・最高血中濃度到達時間:8時間とゆっくり吸収される
・肝代謝および腎排泄両方の寄与あり
・尿意切迫感、尿勢の低下、最大尿流率の改善に優れるとの報告あり
| 効能効果 | 用法用量 |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 0.2mgを1日1回食後に経口投与 適宜増減 |
ナフトピジル(フリバス)
規格:錠25mg/50mg/75mg、OD錠25mg/50mg/75mg
後発品:あり
・α1D受容体選択的阻害薬
・選択性はα1D>α1A≫α1Bと言われている
・前立腺や尿道のα1D受容体を選択的に遮断する
・起立性低血圧に注意が必要、漸増の必要あり
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:A
・最高血中濃度到達時間:約0.5〜1時間と早い
・肝機能障害者は注意が必要、Tmax:約2倍、AUC:約4倍に上昇したとの報告あり
・夜間頻尿、膀胱刺激症状において改善が見られたとの報告あり
| 効能効果 | 用法用量 |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 1日1回25mgより投与を開始 効果が不十分な場合は50~75mgに漸増(1~2週間の間隔をおいて) 1日1回食後経口投与 適宜増減 1日最高投与量は75mgまで |
シロドシン(ユリーフ)
規格:錠2㎎/4㎎、OD錠2㎎/4㎎
後発品:あり
・α1A受容体選択的阻害薬
・選択性はα1D≫α1A>α1Bと言われている
・1日2回の服用が必要
・起立性低血圧に注意が必要、漸増の必要あり
・副作用に射精障害あり(17〜20%程度)
・射精障害は逆境性射精と精嚢・精管の収縮抑制による、精液が出てこない射精障害の2つがある
(射精障害の頻度はユリーフ>ハルナールD>フリバスとの報告がある)
・他のα1遮断薬より血管系への副作用が少ない
・排尿症状に加えて蓄尿症状にも改善あり
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:A
・最高血中濃度到達時間:約1時間と早い
・肝代謝および腎排泄両方の寄与あり
・腎機能低下者でTmax:約3.1倍、AUC:約3.2倍に上昇したとの報告あり
・CYP3A4で代謝。CYP3A4を阻害する薬剤との併用に注意が必要
| 効能効果 | 用法用量 |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与 適宜減量 |
プラゾシン(ミニプレス)
規格:錠0.5mg/1mg、高血圧適応有
後発品:なし
・もともとは降圧薬として開発された薬
・α1非選択性受容体遮断薬
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:C1
・たちくらみ、めまい、ふらつきに注意
| 効能効果 | 用法用量 |
| 本態性高血圧症、腎性高血圧症
|
成人1日1~1.5mg(1回0.5mg 1日2~3回)より投与 効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増 1日2~3回に分割経口投与 まれに1日15mgまで漸増することもある。 適宜増減 |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 1日1~1.5mg(1回0.5mg 1日2~3回)より投与開始 効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増 1日2~3回に分割経口投与 適宜増減 |
ウラピジル(エブランチル)
規格:カプセル15㎎/30mg、
後発品:なし
・もともとは降圧薬として開発された薬
・高血圧と神経因性膀胱に適応あり
・α1非選択性受容体遮断薬
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:A
・たちくらみ、めまい、ふらつきに注意
| 効能効果 | 用法用量 |
| 本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症 | 1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始 効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1日120mgまで漸増 1日2回、朝夕食後経口投与 適宜増減 |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始 効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1日60~90mgまで漸増 1日2回、朝夕食後経口投与 適宜増減 1日最高投与量は90mgまで |
| 神経因性膀胱に伴う排尿困難 | 1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始 1~2週間の間隔をおいて1日60mgに漸増 1日2回、朝夕食後経口投与 適宜増減 1日最高投与量は90mgまで |
テラゾシン(バソメット)
規格:錠0.25mg/0.5mg/1mg/2mg
後発品:なし
・もともとは降圧薬として開発された薬
・高血圧症に適応あり
・α1非選択性受容体遮断薬
・前立腺肥大における排尿障害の推奨グレード:A
・肝代謝および腎排泄両方の寄与あり
・たちくらみ、めまい、ふらつきに注意
| 効能効果 | 用法用量 |
| 本態性高血圧症 腎性高血圧症 褐色細胞腫による高血圧症 |
1日0.5mg(1回0.25mg1日2回)より投与開始 効果が不十分な場合は1日1~4mgに漸増 1日2回に分割経口投与 適宜増減 1日最高投与量は8mgまで |
| 前立腺肥大症に伴う排尿障害 | 1日1mg(1回0.5mg1日2回)より投与開始 1日2mgに漸増 1日2回に分割経口投与 適宜増減 |