イソバイドというお薬を知っていますか?
浸透圧を用いて体内体液量を減らすお薬です。
脳圧の降下や眼圧の降下、メニエール病などに使用されます。
味が美味しくないので飲みにくいという患者様が多いお薬です。
特性を理解して、コンプライアンスを上げる服薬指導ができるようにしていきましょう。
イソバイドシロップの効能効果
ではまず、イソバイドシロップの基本的な情報を確認していきましょう。
●効能効果
・脳腫瘍時の脳圧降下、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下、メニエール病
●用法用量
・脳圧降下、眼圧降下、及び利尿を目的とする場合には、
通常成人1日量70~140mLを2~3回に分けて経口投与する。症状により適宜増量する。
・メニエール病の場合には、1日体重当り1.5~2.0mL/kgを標準用量とし、
通常成人1日量90~120mLを毎食後3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
以上がイソバイドシロップの効能効果と用法用量になります。
基本的に耳鼻科領域で服用している患者様が多い印象です。
イソバイドシロップの成分イソソルビドは経口投与によって速やかに吸収されます。
しかし、体内では代謝されずに残るため、血漿浸透圧が高まり、その結果利尿作用を示したり、
目や脳、リンパ管などの各臓器の圧力を低下させる効果を持ちます。
各臓器から水分を血管内に引き入れる効果を持つと考えるとわかりやすいと思います。
実際の服用方法
イソソルビドのシロップ剤は癖のある味をしているため、処方されても飲めないという声をよく聞きます。
味は甘みと酸味があり、後に苦みや渋みが出てくると言われて患者様によってはとても飲みづらいようです。
添付文書には「2倍程度の冷水希釈して経口投与する」の記載があるため、
そのままでは飲み辛い時には薄めて飲むように指導していきましょう
ではどんなものに混ぜたらいいでしょうか?
イソバイドは苦みがあるため、お茶やグレープフルーツ味のものと混ぜると苦みが強くなるため
あまりオススメはできないようです。
一方、オレンジジュースや甘みのある炭酸(コーラなど)に混ぜると比較的飲みやすくなるそうです。
また、冷やして飲むと後味が残りにくくなるため、混ぜるのが面倒な人はよーく冷やして服用して下さい。
凍ることはないようですが、シャーベット状にして服用することも可能とのことです。
添付文書状では2倍程度となっていますが、実際は5倍程度にうすめても
イソバイドシロップの体内動態は変わりないとの報告もあります。
これはイソソルビドシロップの浸透圧が生理食塩水の22倍有ると言われているため、
少量の服用で浸透圧上昇を保持できるからと考えられます。
30mlを1回で服用する場合は150ml程度に薄めるくらいなら許容範囲ですので、
どうしても味が苦手な人はコップ軽く1杯程度まで薄めて服用するよう指導していきましょう。
その他注意点
服用方法以外にもイソバイドシロップには悩ましい点がいくつかあります。
初めて調剤した時は詳しく調べずに調剤したため、痛い目を見たこともいくつか…
そうならないように、その他の注意点として情報を共有しておきます。
●薬価が違う
イソソルビドシロップにはボトルタイプと分包タイプがあり、それぞれ薬価が違います。
500mlのボトルタイプと20ml、23ml、30mlの分包品です。
分包品などと処方箋に記載があれば初めてでも気付くことも可能ですが、
印字ミスや手書きなどだと省略されてる時などが稀にあるため焦ります…
どちらで調剤するのかしっかり確認してから調剤しましょう。
●後発品の存在(2024/7現在)
イソバイドシロップには別メーカーが出しているイソソルビド内用液70%「CEO」というものがあります。
イソソルビド内用液70%「CEO」は厚生労働省が発表する
「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」を確認すると後発品となっています。
後発品ですが、30ml分包は先発品よりも薬価が高くなるため、イソバイドシロップから変更する際は
患者様の同意が必要となるので注意が必要です。
また、
イソバイドシロップ20ml 2包→イソソルビド内用液40ml 1包
といった具合に変更する際は、薬価も上がり剤形も異なるため、疑義照会が必要になるため注意して下さい。
在庫都合等で変更する際は金額に関しても説明できるようにしましょう。
(薬価は高くなりますが味は飲みやすくなるとの話もあります、イソバイドが駄目な時は「CEO」を試すのも良いかもしれません)
●後発品の規格(2024/7現在)
イソバイドシロップとイソソルビド内用液ですが、薬価収載されている規格が微妙に違います。
・イソソルビド:20ml、23ml、30ml、ボトル500ml
・イソバイド内用液:30ml、40ml、ボトル500ml
前述にもありますが、イソソルビド製剤は先発品から後発品に変更する際は、薬価や別剤形について考慮して行わなければなりません。
イソバイドシロップの変更調剤を行う際は、しっかり確認してから調剤・監査を行いましょう。
また、今回は取り上げませんでしたが、別剤形にゼリータイプもあります。
イマイチ変更について理解できなかったという人は、これを期にルールの確認・復習をして記憶の保管を行って下さい。
まとめ
今回はイソバイドシロップの服用方法についてまとめました
味が問題で飲めない人が多いお薬ですが、工夫次第でぐっと飲みやすくなります。
また服用法以外にも薬について知っておかないと思わぬトラップに引っかかりそうになるお薬でもあります。
しっかり勉強して、スムーズな調剤、服薬指導を行っていけるよう、知識を深めていきましょう。
参考にさせていただいた資料&ホームページ
イソバイドシロップ70%添付文書
イソソルビド内用液70%添付文書
日経DIクイズ 202403号
http://dekigotology-hana.dreamblog.jp/blog/136.html
https://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.html