目の乾燥により、痛みや違和感を起こす症状にドライアイがあります。
ドライアイの患者様が使う目薬は数種類あり、いくつかの目薬を併用して使用する患者様も多いです。
お薬をお渡しする際に、目薬を使用する順番や点眼の間隔を質問されることがよくあります。
ドライアイの目薬の特徴によって順番が変わりますので
今回はどのような順番で目薬を使用したほうがいいのかについて確認していきます。
ドライアイとは
日本眼科学会によるドライアイのガイドラインでは、
ドライアイは 「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,
眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害 を伴うことがある」 と定義されています。
ドライアイの症状には下記のような症状があります。
・目の乾き
・疲れかすみ
・痛み
・光をみるとまぶしい
・目ヤニが出る
・充血
・異物感
・かゆみ
ドライアイの危険因子としては
・加齢(加齢で、涙の量や性質が低下)
・女性(男性8.0%、女性18.7%)
・ライフスタイル(スマホ、PC作業等)
・生活環境
・コンタクトレンズ装用
・喫煙(喫煙歴あり:1.22倍 現喫煙者:1.82倍)
以上のものがあると言われています
治療薬
ドライアイの治療には目薬が使われますが、その種類は
・人工涙液
・ヒアルロン酸
・ムチン/水分分泌促進薬(ジクアホソルナトリウム)
・ムチン産生促進薬(レバミピド)
・その他(抗炎症点眼薬,血清点眼,眼軟膏)
上記の点眼薬を1〜数種類併用して治療を行います。
点眼薬の併用方法
基本的な点眼薬の使用順序としては、
水性点眼剤→懸濁性点眼剤→油性点眼剤→眼軟膏の順に点眼するとされています。
また,2 剤以上の点眼薬を使用する際は、各々5分間は間隔を空ける必要があります。
連続ですぐに点眼してしまうと、先に点眼した点眼薬が、後に点眼した点眼薬に洗い出されてしまい、
効果を十分に発揮できないとされています。
ヒアルロン酸点眼液と併用する場合
ヒアルロン酸は、眼の表面を覆う膜を形成することで涙液が蒸発するのを防ぐ効果があります。
ヒアルロン酸点眼液は眼表面のムチンと反応する事で、粘度が上がると言われています。
この粘膜付着性によって眼表面に長時間滞留し、涙液安定化作用を示すと考えられています。
長時間滞留する事を目的に点眼している為、使用するのは1番最後のほうが良さそうです。
点眼薬A→点眼薬B→ヒアルロン酸点眼液
人工涙液とヒアルロン酸点眼液を併用する場合
人工涙液は、文字通り人工的な涙液を目に補充することが目的です。
水分を補充して目に潤いをもたらします。
逆に滞留性が低いので別の目薬を点眼するとすぐに流れ出ていってしまいます。
なので、人工涙液 (水性点眼剤)とヒアルロン酸を併用する場合には,ヒアルロン酸を先に点眼し、
ヒアルロン酸の涙液膜を形成させてから
人工涙液を点眼して保水させるもの一つの方法と考えられます。
ヒアルロン酸点眼液→人工涙液
ジクアホソルとヒアルロン酸点眼液を併用する場合
ジクアホソルは眼の表面の水分促進作用とムチンを増やす効果を目的に点眼します。
なのでジクアホソルナトリウムとヒアルロン酸を併用する際には、ジクアホソルナトリウムを先に点眼し、
ムチンを増やし、ヒアルロン酸と反応させやすい状況を作ります。
その後5分以上経ってからヒアルロン酸を点眼したほうがよいと考えられます。
ジクアホソル点眼液→ヒアルロン酸点眼液
しかし,ジクアホソルナトリウム点眼液は、稀に刺激感を感じる人がいます。
そのような刺激がある場合には、ヒアルロン酸点眼液を点眼後にジクアホソルナトリウムを点眼することで
刺激感を軽減できると考えられています
まとめ
今回はドライアイの点眼薬の使い方についてまとめてみました。
複数の目薬を使っていると、どのような順番で使えばいいかわからなくなってしまうことも多いですが、
薬の薬理効果や目的を考えることで、根拠を持って説明できると思います。
目薬は効果や目的以外にも溶媒の特性により順番を考える必要がありますので、
薬の効能効果と合わせて、その目薬の特徴も覚えるようにしましょう。
参考文献
ドライアイ診療ガイドライン