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口の中が熱くなるお薬とは

服用すると苦くなるお薬や甘い味がついてるお薬があります。
様々な製剤工夫によりお薬の食感を良くしているお薬は色々あります。

基本的には飲みやすくするように工夫されていることがほとんどですが、
今回は服用すると暖かくなるお薬があるとの情報があったので紹介したいと思います。

口の中が暖かくなる理由

早速ですが、暖かくなる理由ってなんだと思いますか?
外用薬では貼付剤の中にカプサイシンが含まれているものがあるので
そういったものが熱を発するお薬の代表例になると思います。

ですが、内服薬ではおそらく、カプサイシンを含んだお薬はないと思われます。
(カプサイシン効果を期待した胃薬などはありますが…)
内服薬を服用して熱感を感じる原因は、「湿潤熱」が原因となって
生じるようです。

湿潤熱とは化学反応をしない粉や、水に溶けにくい粉を
液体に沈めた時に発生する熱のことを言うそうです。

乾燥度の高い散剤を服用する際に、唾液との接触で
湿潤熱が大きくなり、口の中で温感を感じる事があるそうです。

これは製剤的な特徴によるものなので、同じ成分のお薬でも錠剤よりも
散剤のほうが湿潤熱を感じやすいそうです。

味覚異常などで普段とは違う感覚となっている場合を除いて
患者様から薬を飲むと暖かくなるような感じがあると相談された時は
湿潤熱など科学的な反応で熱感を感じることがあるということも
覚えておいて損はないかと思います。

熱くなる可能性があるお薬

次に、どんなお薬で湿潤熱が発生するのか主なお薬を紹介します。
剤形は散剤で起こりやすく、水に溶けにくく、基本的に湿気を避けて
保管するようなお薬がこういった現象を起こしうるとされています。

・ビオフェルミン配合散
・ラックビー微粒N
・カリメート散

これらの整腸剤に含まれる乳酸菌は嫌気性であることが多く、
水や熱に弱い。そのため、製剤の乾燥度を高くする必要があります。
カリメート散は直接散剤のまま服用すると熱感を感じることがあると
インタビューフォームに記載されています。
用法通り、水30〜50mlに懸濁して服用するように指導する必要があります。

一方、散剤でも水に溶けやすいものや吸湿性が低く、そこまで乾燥度を
上げる必要がない散剤は湿潤熱を発生しなしと言われています。
コデインリン酸塩散などは水に溶解するため湿潤熱は発生しないと言われています。
また、顆粒剤などは表面積の関係で熱が発生しづらく、ドライシロップも容易に
水に溶けるため、服用による温感は感じにくいと考えられます。

温感が気になるときの対策

最後に温感を感じる場合の対策ですが、
1つ目は剤形を変更するということです。
前述した通り、表面積が大きい散剤が最も温感を感じやすいです。
錠剤になれば表面積が減り、熱も発生しにくくなります。
同様に顆粒剤など粒子径の多きものに変更するのも効果的です。
また、水に容易に溶解するようになれば熱の発生もしなくなるため
ドライシロップへの変更も効果的と考えられます。

2つ目に水に溶解してから服用するということです。
口の中の唾液と反応して熱が発生しているので
あらかじめ水に溶かしてから服用すると温感は感じることは
なくなると考えられます。

薬の服用が苦手な患者様や、薬自体を嫌がる患者様、
もしくは、少しの変化も心配になってしまっている心理状況など
普段はあまり気にならない事でもちょっとしたことが気になってしまう
タイミングはあると思います。
最近はお薬の品質管理についても話題になることが多いです。

そのような患者様にも安心して服用していただけるよう
原因の説明や対策の提案などできるようになりましょう。

まとめ

今回は、熱感を感じる内服薬についてまとめてみました。
外用薬では熱くなるお薬はありますが、内服薬でも
そのような症状が出ることは知りませんでした。

お薬の成分や添加物、薬理作用だけ見ていたら
薬が原因ではなく、病気や体質の方を疑ってしまいそうになります。
お薬は薬学だけでなく、科学や物理学など複合的な学問です。
薬のスペシャリストとして正しい、薬の知識をお伝えできるよう
勉強していきましょう。

何かのお役に立てたのであれば幸いです。

 

参考文献
各種 添付文書・インタビューフォーム
日本医事新報社:乳酸菌製剤の微粒を含むと舌に温感があるのはなぜか?

  • この記事を書いた人

KUSURIno

処方薬と市販薬の医療情報サイト「Kusurino」を運営。 ドラッグストアと保険調剤薬局の経験を持つ現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として提供します。

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