甲状腺という臓器があります。
甲状腺ホルモンというホルモンを分泌していおり、
全身の代謝や成長、脈拍数、体温、自律神経などを調整する
働きがあるホルモンです。
甲状腺の病気に機能亢進症と機能低下症があります。
それぞれ別のお薬を使うのですが、
併用するパターンもあります。
いったい、どんな時に使用するのかまとめていきたいと思います。
甲状腺とは
甲状腺はのど仏のすぐ下にあります。
成人では重さが15~20g、大きさが4~5cmほどです。
大きさは女性の方が大きく、気管に張り付くように存在しており、
甲状腺ホルモンを作り、体の代謝や成長を調整する役割があります。
甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があります。
その違いはヨウ素がいくつ含まれるかで異なります。
トリヨードサイロニン(T3)
ヨウ素を3つ持っています。サイロキシン(T4)よりも10倍ほど強力な結合力を
持つと言われていますが、寿命が短いといった特徴があります。
血液中の甲状腺ホルモン全体の2%程度しか存在していないとされています。
サイロキシン(T4)
ヨウ素を4つ持っています。貯蔵型のホルモンとされています。
甲状腺ホルモンはT4からヨウ素が1つ取れ、
T3となって作用すると言われています。
前述の通りT3は寿命が短いため、甲状腺ホルモンを安定的に
供給できるように調整する役割があるとされています。
甲状腺ホルモンの役割は、新陳代謝を調整する事です。
エネルギー消費を一定に保ち、体温や脈拍を調整します。
また、体の成長や発達、脳の働きの維持にも関係するホルモンと言われています。
甲状腺機能亢進症とは
血液中の甲状腺ホルモンが過剰になる病気を言い、
甲状腺機能亢進症や甲状腺中毒症と呼ばれたりします。
症状としては
・多汗
・頻脈
・手足の震え
・暑がり
・イライラする
・軟便
・希少月経
などが出ると言われています。
また、食欲は旺盛なのに痩せてき、疲労感は抜けず、
筋力も低下するため、体がついていけなくなります。
これらの自覚症状はすべて起きるわけではなく、1つ1つ発現することもあるため
別の病気と間違われて治療が進んでいるケースも有るため注意が必要との事です。
治療としては甲状腺ホルモンの分泌を抑制する抗甲状腺剤を使用します。
メルカゾールやチウラジール=プロパジールなどが主なお薬となります。
甲状腺機能低下症とは
血液中の甲状腺ホルモンが不足する病気を言います。
症状としては
・徐脈
・寒がり
・皮膚の乾燥
・便秘
・体重増加
・動作の遅れ
・眠い、物忘れが多い
・過多月経
などがあります。
これらの自覚症状はすべて起きるわけではなく、1つ1つ発現することもあるため
別の病気と間違われて治療が進んでいるケースも有るため注意が必要との事です。
持続する低下症の方には、チラーヂンなどの
甲状腺ホルモン薬でホルモンを補う治療が行われます。
更新症・低下症共通で現れる症状
・倦怠感
・易疲労感
・むくみ
・脱毛
などが、更新症、・低下症共通で発現すると言われています。
それぞれのお薬を併用するパターン
甲状腺の更新症と低下症ではホルモンの量が正反対となるため、
それぞれ減らすお薬と増やすお薬を使用します。
通常は、併用することはありませんが、特別な限られたパターンの場合は
併用することが知られています。
一例として、甲状腺機能亢進症で抗甲状腺薬を使用している時に、
甲状腺の機能が低下しすぎた場合に甲状腺ホルモン薬を併用する
場合があるそうです。
そのさい、抗甲状腺薬を休薬してしまうと、甲状腺機能亢進症が
再燃する恐れがあるため、休薬はしないそうです。
また、甲状腺眼症が重度の場合は、甲状腺の機能低下が眼症に良くない
とされており、抗甲状腺薬と甲状腺ホルモン剤の併用治療が有効ともされています。
まとめ
今回は抗甲状腺薬と甲状腺ホルモン薬の併用パターンについて確認しました。
基本的には相反するお薬の服用はしないことが原則なので、
ある程度の知識がないと対応を間違えてしまうことがあります。
また、不確かな状態で服薬指導を行っても、
患者様に不安を与えてしまう事になりかねません。
薬だけでなく、病気や治療方法についてもしっかり勉強していきましょう。
何かのお役に立てれば幸いです。
参考文献
京都医療センター 甲状腺の病気について
バセドウ病治療ガイドライン2019
各種 添付文書・インタビューフォーム