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【薬こばなし01】マクロライド系の特殊な使い方

小児科の処方箋や耳鼻科の処方箋を受け付けた際に抗生剤の量が少ない処方箋を受け付けたことはありますか?
そのような処方箋を最初受け付けた時、何かの間違いかと思い疑義照会をした経験は無いでしょうか?
添付文書に記載のある容量とは違うので焦ってしまうかもしれません。
実は少量での長期投与を行う抗生剤があります。
今回はその使い方についてまとめていきたいと思います。

長期で使う抗生剤

通常の抗生剤は7日から10日程度の服用となっており、多くの添付文書には「疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること」
といった記載があります。

ですが、症状によっては長期で服用を続ける病気と抗生剤があります。
有名な例では、「中耳炎」の患者様は、長期で抗生剤を服用しているケースが多いです。
中耳炎での抗生剤長期服用ではマクロライド系を長期で服用することが多く見られます。

今回はマクロライド系のエリスロマイシンとクラリスロマイシンについて詳しく見ていこうと思います。

中耳炎での抗生剤

まず、中耳炎で抗生剤を使う場合、第一選択薬はペニシリン系になります。
初期でガツンと高用量の抗生剤を使うことで感染を抑える事が多いです。

その後、滲出性中耳炎となってしまった時にマクロライド系の抗生剤を使用することが多いようです。

滲出性中耳炎
鼓室(鼓膜の奥に存在する小さなスペース)に液体が溜まる病態で、耳と鼻をつなぐ耳管が正常に機能しなくなることで起こります。耳管の働きが悪くなると中耳の圧力が低くなり粘膜から液体がしみだし、鼓室に溜まることで滲出性中耳炎が引き起こされます。

難聴・耳閉感(耳のつまった感じ)・耳鳴り・自声強聴(自分の声が耳に響く)などの症状が起こります。
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/jibi/disease/target_ear/target_ear08.html(一部引用)

マクロライド系は効果が出にくいと言われており、抗生剤としての効果は余り期待できないと言われています。
ですが、一部の滲出性中耳炎では通常使う量より少ない量で長期に使うことで治癒率を改善することができるため、
マクロライド型を使用することがあるそうです。

使用される抗生剤はエリスロマイシンやクラリスロマイシンが多いと言われています。
クラリスロマイシンはエリスロマイシンの改良型の為、胃酸での安定性や組織移行率が高いといった特徴を持ちます。
現場ではクラリスロマイシンを処方しているDrの方が多い印象ですね。

また、そもそもマクロライド系の少量長期投与は抗生剤の抗菌作用を期待して処方されている事は稀なようです。
量が少ないため、抗生剤としての効果を期待して処方しているというよりも
抗炎症作用や免疫調整作用を期待して使用されるそうです。

実際の使用例

マクロライド系の少量長期投与が使われる中耳炎は特徴があるようです
すべての中耳炎の中でも

・亜急性期、慢性期の浸出性中耳炎
・鼻副鼻腔炎合併例

これらの中耳炎の症状の時により効果が見込めると言われています。
これらの症状時に2〜3ヶ月ほど薬の服用を続けることが多いと言われています(服薬期間は症状によるそうです)。
服用する小児量としては

・クラリスロマイシンの量:5〜8mg/kg/日(通常10〜15mg/kg/日)
・エリスロマイシンの量:10〜15mg/kg/日(通常25〜50mg/kg/日)

これらの量を分2〜3に分けて、2ヶ月ほど服用するそうです。効果が出ていれば3ヶ月ほど服用することもあります。
症状によってはより長い期間服用することもあるそうです。

また、成人の場合は最初は通常量で使い、後に半分量で服用を続けることがありますが、
小児の場合は半量から開始しても反応が良いことが多いため、最初から少量で服用することが多いです。

まとめ

今回は抗生剤の特殊な使い方としてマクロライド系の少量長期服用についてまとめてみました。
抗生剤に関しては患者様も敏感になる人が多いです。
「こんなに長く服用しても大丈夫なのか?」「量が少ない気がするんですが…」
といった相談にも自信を持って答えられるようになったかと思います。

個人的には少量ってどれくらいなんだと疑問に思うこともありましたが、大体の目安を知ることができて
とても勉強になったと思います。
急にいつもと違う量で抗生剤の処方箋を受け付けた時も焦らず、冷静に対処していきましょう。

参考:
http://entkasai.la.coocan.jp/tyujien-memo.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/62/1/62_1_7/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibirin1925/87/3/87_3_421/_pdf/-char/ja
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6149003F1031_1_37/?view=frame&style=XML&lang=ja
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6141001R1120_3_06/?view=frame&style=XML&lang=ja

  • この記事を書いた人

KUSURIno

処方薬と市販薬の医療情報サイト「Kusurino」を運営。 ドラッグストアと保険調剤薬局の経験を持つ現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として提供します。

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