痛み止めや局所麻酔、ステロイド剤や全身に作用するお薬
貼付剤は服薬コンプライアンスが不安定な人や
長期的、局所的にお薬の作用をさせたい時に多く使用される
剤形の一つです。
服薬指導時にはかぶれやかゆみなどに注意して使用するよう
説明することが多いですが、様々な原因で皮膚障害を起こすことがあります。
今回はどんな刺激があるのか、まとめていきたいと思います。
皮膚障害を起こす刺激
皮膚障害には大きく分けて2つの刺激が関係していると言われています。
・物理的刺激
・科学的刺激
これら2つの刺激に分類されるようです。
これららは水疱や表皮剥離や皮膚がふやけてしまう症状、
痒みが出たり赤く腫れてしまうなどそれぞれにそった刺激が
起きるようです。
お薬の成分で刺激を受けるだけでなく、お薬に含まれる添加物でも
皮膚障害の原因となることがあるので注意が必要です。
では、それぞれどのような刺激があるのか見ていきましょう。
物理的刺激
物理的刺激とは、表皮に強い力がかかることで起きる刺激や
テープ剤を剥がす時に起きる角質の剥離などが含まれます。
大きく3つの症状があります。
1.緊張性水疱
皮膚の表面に強い力が連続してかかることでできる水疱です。
デープ剤貼付部位の端部にできやすいと言われています。
テープ剤を貼る時に強く引っ張りながら幹部に貼付すると、
テープ剤が戻ろうとする反動で症状が発生したり、
肘や膝など屈曲する部位にテープ剤を貼付すると
曲がることで強い力が加わり、刺激となることがあるそうです。
2.角質・表皮剥離
テープ剤で一番わかり易い刺激です。
テープ剤を剥がす時に一部角質も一緒に剥がれることで起きる刺激です。
強い力で一気にテープ剤を剥がしたり、同じ部位で剥離を繰り返すことが
刺激になります。
症状としてや赤みや痛みなどを引き起こします。
3.浸軟
角質がふやけて白くなってしまうことをいいます。
テープ剤の長時間の貼付により、発汗などが抑えられることで起きる蒸れが
原因となります。
絆創膏などを長時間貼っていると白くなるあれですね。
浸軟舌皮膚は角質のバリア機能が低下するため、細菌の増殖や
より刺激に弱くなると言われています。
貼付材による皮膚炎は年齢による
皮膚の状態も大きな要因となります。
高齢者では皮膚が薄くなっているため、貼付剤の圧迫による
血行障害が起きやすくなると言われています。
また、小児では皮膚の保護作用がまだ未熟なため
物理的刺激に弱く、貼付剤を剥がす際に皮膚が赤くなりやすいと言われています。
皮膚の弱い方は保湿をするなどしっかり
肌のケアを行う必要があります。
科学的刺激
科学的刺激とは、接触性皮膚炎や光接触性皮膚炎などがあります。
今回は、貼付剤が原因となる接触性皮膚炎について考えていきます。
接触性皮膚炎には刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2つに
分けられるそうです。
1.刺激性接触皮膚炎(一次)
テープ剤の原材料に含まれる化学物質や、テープ剤を貼付する前に皮膚に付着、
接触していた物質が皮膚の中に浸透し、引き起こされる炎症と言われています。
症状としては紅斑、水疱、かゆみ、痛みなどがあります。
炎症は比較的早く出ることが特徴で、数時間以内に発現します。
2.アレルギー性接触皮膚炎
テープ剤の原材料に含まれる化学物質にアレルギー反応を起こして生じる
皮膚炎です。このアレルギー反応は遅延型アレルギー反応となります。
特定の原因物質に再度接触する事で発症します。
症状としては紅斑、浮腫、丘疹、小水疱などがあり、かゆみを伴います。
症状は12〜48時間のうちに発症すると言われています。
症状の発現は患者様別々で起こります。
科学的刺激で皮膚障害が発生した場合は
すぐに剥がして、原因物質を除去するよう指導しましょう。
製剤間による刺激性
皮膚障害の原因となる刺激に物理的刺激がありました。
これは、様々な製剤ごとに刺激性が異なり、先発品やジェネリック
といった製剤の違いや、パップ剤やテープ剤といった剤形の違いでも
皮膚障害の程度の差があると言われています。
まず、一般的にパップ剤とテープ剤ではパップ剤の方が
刺激性(粘着性)は低くなると言われています。
パップ剤<テープ剤
また鎮痛・抗炎症剤などは粘着性が強い貼付剤が多く
他の局所麻酔薬や気管支拡張薬の貼付剤に比べると
物理的刺激性(粘着性)が高くなりそうです。
ホクナリンテープ<リドカインテープ<モーラステープ
また鎮痛・抗炎症剤の中でも粘着性の強弱があるため
剥がれやすくて使いにくいといった相談があった際には
より刺激性(粘着性)の強い製品への変更提案も考えていきましょう。
モーラステープ<ロキソニンテープ
まとめ
今回は貼付剤の皮膚障害について見ていきました。
刺激の種類が大きく2つに分類されており、
刺激の違いによって発現する症状が異なります。
また、年齢や皮膚の状態によっても皮膚に大きな負担を
かけることがあるので、皮膚の症状を見極めたうえで
適切なスキンケアのアドバイスをお伝えできるようにしていきましょう。
使用しているお薬によって、刺激感や使用感は違ってきます。
製品ごとの違いを把握し、患者様の使いやすい剤形を
提案できるように勉強していきたいと思います。
なにかの役に立てたのであれば幸いです。
参考文献
そこが知りたい!貼付剤(講談社)