抗ヒスタミン薬

【抗ヒスタミン薬02】眠くなるアレルギー薬(ヒスタミン占有率について)

「眠くなりますか?」
抗ヒスタミン薬の説明をしていると、かなりの確率で質問される内容です
脳内のヒスタミンをどれだけブロックできるのかが眠気の発現を左右すると言われています。

今回は、抗ヒスタミン薬の眠気のおきやすさについてまとめていきますので
自信を持ってお薬の説明ができるようになりましょう

抗ヒスタミン薬の世代による違いとは?

抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代に分類することができます。
基本的に第一世代の抗ヒスタミン薬は脂溶性が高く、分子量が低いため血液脳関門を通過し中枢に移行します。そのためヒスタミン占有率は高くなります。

一方、第二世代の抗ヒスタミン薬は第一世代の中枢抑制作用や抗コリン作用が少なくなるように改良されているため、ヒスタミン占有率は低くなっています。

ただし、第二世代の中でも占有率に差がある為、中には注意が必要なお薬もあります。
抗ヒスタミン薬の中で、脳内の受容体占有率が50%以上のものを鎮静性、20~50%のものを軽度鎮静性、20%以下のものを非鎮静性といい、3つのタイプに分けることができます。

脳内受容体占有率:20%以下
非鎮静性
ビラノア アレグラ ディレグラ ザイザル アレジオン エバステル クラリチン 
ジルテック(10mg) アレロック タリオン 
脳内受容体占有率:20~50%
軽度鎮静性
アゼプチン ゼスラン/ニポラジン ジルテック(20mg)
脳内受容体占有率:50%以上
鎮静性
ポララミン セルテクト アタラックス ザジテン
抗ヒスタミン占有率

構造による違い

抗ヒスタミン薬の「眠気」は中枢に移行することで発現することがわかっています。
つまり、中枢へ移行する量が少なければ「眠気」の副作用は起きにくくなるといえます。

第一世代の抗ヒスタミン薬にカルボキシル基を追加し、分子量を増やし親水性を高めた結果、ヒスタミン受容体選択性が上昇したそうです。
親水性にする事で血液脳関門を通過しにくくし、かつH1受容体への選択性を向上することで中枢に対する作用を抑えることができます。
カルボキシル基以外にも、アミノ基を追加してH1受容体以外の作用を付加するといった改良がされたお薬もあります。

抗ヒスタミン薬の副作用発現には個人差が大きい事も特徴としてあります。
可能であれば複数のお薬を試して、自身にあったお薬を選ぶ事も重要になります。
第二世代では化学構造式により複数のパターンに分類することができるので、お薬が合わないと思ったら、別構造のパターンのお薬に変更して試してみて下さい。

自転車の運転・注意力の低下

抗ヒスタミン薬の添付文書にはほとんど自動車の運転や危険を伴う機会の操作に関する記載があります。

眠気の副作用が出ている場合は、自覚できているので注意することも可能ですが、抗ヒスタミン薬には無意識に集中力、判断力、作業効率の低下が認められることがあります。
インペアード・パフォーマンスと呼ばれており、ポララミン錠2mgによるインペアード・パフォーマンスはウイスキーシングル3杯分とも言われています。

服薬指導の際には「危険を伴う機会の操作」についてしっかり説明していきましょう。
また、抗ヒスタミン薬には「記載なし」「操作に注意」「操作させない」の3つの区分があるのでどの薬がどの区分に該当するのかしっかり理解して服薬指導を行いましょう。

まとめ

抗ヒスタミン薬はヒスタミン占有率により眠気や口渇の症状が起きることがあります。
ヒスタミン占有率は抗ヒスタミン薬の世代や、構造式、官能基によって決まります。

抗ヒスタミン薬の効果は個人差が多いですが、データとしてお薬の情報を持っていると服薬指導の幅が広がります。
薬学的な根拠を持ってお薬の特徴を説明、指導していきましょう。
また、お薬によっては眠気の副作用以外にも無意識下での集中力、判断力、作業効率の低下が起こることがあります。
風邪薬を飲んで起きた交通事故の報道などもありました。リスクについてもしっかり説明していきましょう。

  • この記事を書いた人

KUSURIno

処方薬と市販薬の医療情報サイト「Kusurino」を運営。 ドラッグストアと保険調剤薬局の経験を持つ現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として提供します。

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