抗ヒスタミン薬

【抗ヒスタミン薬03】 構造式から見る抗ヒスタミン薬の違い

構造式からお薬の特徴を考えたことはありますか?
お薬の効果や効能、副作用をただ覚えるより、構造式と絡めて覚えていくことで
知識は定着していき、作用に関してもより深く蓄えていくことができます。
また抗ヒスタミン薬同士の飲み合わせに関しても根拠を持った説明をすることができるように構造式からも抗ヒスタミン薬を考えていきましょう。

構造式からみる抗ヒスタミン薬の種類と特徴

第二世代の抗ヒスタミン薬は3つの構造骨格に分けられると言われています。
同じ骨格のお薬は、お薬の効果や副作用が似ていると言われています。
あまり効果が感じられない場合は別の骨格のものに変更したり、副作用により継続服用が難しい場合も別の骨格のものを選択すると改善することがあります。
それぞれの骨格についてどんなお薬があるのかをまとめていきます。

三環系骨格の薬ピペラジン骨格ピペリジン骨格
・エピナスチン(アレジオン)
・ロラタジン(クラリチン)
・オロパタジン(アレロック)
・デスロラタジン(デザレックス)
・ルパタジン(ルパフィン)
・プロメタジン(ヒベルナ/ビレチア)
・オキサトミド(セルテクト)
・セチリジン(ジルテック)
・ヒドロキシジン(アタラックス)
・レボセチリジン(ザイザル)
・エバスチン(エバステル)
・ベポタスチン(タリオン)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・ビラスチン(ビラノア)
構造骨格別一覧

その他の骨格
三環系骨格+ピペリジン骨格
・ケトチフェン(ザジテン)
・シプロヘプタジン(ペリアクチン)

アゼパン骨格
・アゼラスチン(アゼプチン)

ジアゼパン骨格
・エメダスチン(ダレン/レミカット/アレサガ)

フェノチアジン骨格
・メキタジン(ゼスラン/ニポラジン)

参照:管理薬剤師.com【https://kanri.nkdesk.com/hifuka/hisu1.php

併用について

副作用の発現やお薬の効果が不十分に感じる際は、別の骨格のお薬への変更で症状が改善する事があります。
(※ピペラジン骨格とピペリジン骨格はほぼ同じという意見もあります。)

また、別の骨格の抗ヒスタミン薬を2種類併用するやり方もあります。
ただし、組み合わせに明確なエビデンスはありません、医師の判断の元行うことが基本となります。
他には今までのお薬を2倍量にして服用するといった使い方があります。
お薬によって最大服用量が決まっているので添付文書で上限量を把握しておきましょう。

官能基からみる抗ヒスタミン薬の種類と特徴

骨格の構造式から抗ヒスタミン薬を分類する方法と、構造に付いている官能基から分類する方法もあります。
構造中にカルボキシル基(‐COOH基)が付いているものと、アミノ基(-NH2基)が付いているもので分類することもできます。

第二世代の抗ヒスタミン薬はこれらの官能基をつけ、親水性を増すことで血液脳関門を通りにくくして
中枢性の副作用を起きにくくしています。
カルボキシル基(‐COOH基)が付くことで、H1受容体への特異性が上がると言われています。
またアミノ基(-NH2基)が付くことで特異性が下がり、ムスカリン受容体やPAF受容体拮抗作用をもつと言われています。

●カルボキシル基(‐COOH基)をもつ薬
・ビラスチン(ビラノア)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・オロパタジン(アレロック)
・レボセチリジン(ザイザル)
・セチリジン(ジルテック)
・ベポタスチン(タリオン)
・エバスチン(エバステル)

●アミノ基(-NH2基)をもつ薬
・ロラタジン(クラリチン)
・エピナスチン(アレジオン)
・デスロラタジン(デザレックス)
・ルパタジン(ルパフィン)

カルボキシル基(‐COOH基)をもつ薬アミノ基(-NH2基)をもつ薬
・ビラスチン(ビラノア)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・オロパタジン(アレロック)
・レボセチリジン(ザイザル)
・セチリジン(ジルテック)
・ベポタスチン(タリオン)
・エバスチン(エバステル)
・ロラタジン(クラリチン)
・エピナスチン(アレジオン)
・デスロラタジン(デザレックス)
・ルパタジン(ルパフィン)
官能基による分類

カルボキシル基をもつタイプは眠気が起きにくいと言われてるお薬が多く見られます。
また、アミノ基をもつタイプはH1受容体拮抗作用以外にもPAF拮抗作用など別の作用機序があるお薬が含まれています。
カルボキシル基をもつお薬で効果が不十分であったり、副作用の発現が見られるようなら、
アミノ基のお薬への変更といった選択も有益となる可能性があります。

まとめ

抗ヒスタミン薬は骨格構造や構造式中の官能基でその作用を分類することができます。
特定の薬で効果がない場合、やみくもにお薬を試すだけでなく、構造式の種類や違いを勉強していくことで、
薬学的な根拠を持ってお薬の説明や変更の提案ができるようになると思います。

  • この記事を書いた人

KUSURIno

お薬のキュレーションサイト「薬剤師1年目の教科書」を運営。 保険調剤薬局で働く現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として解説します。

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