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【薬こばなし02】ドグマチールで困ること

ドグマチールというお薬を知っていますか?
成分名をスルピリドと言い、複数の作用があるお薬です。
初めて見たときは使い分けの方法がわからず、説明がしどろもどろになったり
別の効果の説明をしそうになったことがあります。

ドグマチール=特定の効果と覚えていると、誤った服薬指導をしてしまう可能性のあるお薬です。
こんな症状の患者様に出ているといったところもの含めて見ていきたいと思います。

使い方・特徴

スルピリドは元々胃薬として開発されたお薬です。
このお薬は服用する量によってその作用が異なります。
服用量によって似たような効果になるのかと思いきや、
胃薬として処方されたり、抗うつ薬として処方される事もあります。

低用量で服用する際は胃薬として効果を示します。
また、高用量になるにつれて抗うつ薬や抗精神病薬として服用することになります。
最近では抗精神病薬は良いお薬が販売されてきており、胃薬として処方されているのを
見る機会が多いです。

店舗によっては、お薬の情報紙をお渡ししている店舗もあると思います。
胃薬として処方されているのに、説明欄には抗精神病薬の説明書きがされているといったことが
何度かありました。(パソコンの設定だと思われます)
あまり交付する機会がないと知らずに渡してしまい、後から患者様から心配になって電話してくる
といった事もありますので、しっかり特徴を把握しましょう。

また、量によって保管場所も変わります。
50mgは普通薬の扱いですが、100mgや200mg、散剤に関しては劇薬扱いになります。
保管場所や取り扱いには十分注意して下さい。

●作用機序

スルピリドはドパミンD2受容体遮断作用があります。
このドパミン遮断作用により胃粘膜血流改善作用と末梢D2 受容体遮断による消化管運動促進作用を示すと言われています。
また、中枢でのドパミン受容体に作用すると抗精神病作用(統合失調症 の陽性症状改善)や抗うつ作用を示すと言われています。

●低用量(50㎎~150㎎/日)

胃薬としての使用。
低用量で使用することで主に末端のドパミン受容体遮断作用があるのではないかと考えられます。
ドパミンを遮断する事で…
・交感神経を抑制し副交感神経の働きを優勢にする。
・嘔吐中枢へのドパミンの作用を抑える事で吐き気を抑制する。
この二つの効果で胃薬としての効果を示すと言われています。
これらの作用により、蠕動運動が活発になり、血流増加により胃粘膜の防御力が増大することで
胃薬としての効果が期待できます。

●中用量(150㎎~300㎎) Max:600mg

抗うつ薬としての使用。
正確な作用機序はまだ解明されていないそうです。
本来、うつ状態ではドパミンなどの神経伝達物質は少なくなるので、量を増やすお薬を使います。
ですが、スルピリドの作用はドパミンの遮断作用。つまり少なくする効果です。
一説によると、スルピリドは中枢のドパミンを放出する細胞に存在する「ドパミンを抑制するレセプターを遮断」する事で
ドパミンの量を増やし抗うつ作用を示すと言われています。

●高用量(300㎎~600㎎) Max:1200mg
統合失調症としての使用。
中脳辺縁系でドパミンが過剰になりすぎると幻聴や妄想などの陽性症状が起きると言われています。
中脳辺縁系のドパミンを抑えることで、陽性症状の改善が期待できます。
ただし、過剰にドパミンを遮断しすぎると、錐体外路症状や高プロラクチン血症などの副作用も起きやすくなります。

ドグマチールの服用が適している人

前述にもありましたが、現在では効果も高く、使いやすい抗精神病薬が多く販売されているため、
高精神病目的でのドグマチールの処方箋はあまり見なくなってきました。
胃薬として服用されている患者様が多いと感じます。
処方されている患者様は慢性的に胃腸に不快感を感じている患者様が多く
気持ちが弱く、ストレスがかかると胃に症状が出る人で服用されている患者様が多い印象です。

他の胃薬との違いを質問される患者様もいますので、制酸剤や胃粘膜保護剤とは違った効果があることを
お伝えするようにしています。

まとめ

ドグマチールは量によって効果が変わるので処方量で指導する内容や説明する内容が変わります。
胃薬から高精神病薬までと効果がガラリと変わりますので、どんな症状で服用しているのかある程度把握してから
服薬指導を行うようにして下さい。

胃薬として使うことが多いですが、他の胃薬とも若干効果に特徴があります。
他の胃薬との違いや、こんな人にオススメといった所まで確認してもらい
服薬指導に活かしてください。

参考
https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/psychiatry-medicine/sulpiride/about-sulpiride
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2329009F1110_3_04/?view=frame&style=XML&lang=ja
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179016F1124_4_04/?view=frame&style=XML&lang=ja

  • この記事を書いた人

KUSURIno

お薬のキュレーションサイト「薬剤師1年目の教科書」を運営。 保険調剤薬局で働く現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として解説します。

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