お薬をお渡しするときによく聞かれる質問の一つに
お酒を飲んでるんだけど大丈夫?と質問を受けることがあります。
残念ながら私はお酒を飲まないので、個人的に服薬中は
お酒はやめたらいいと考えています。
そんな感覚で、お酒を控えるようにお伝えすると、「どれくらいなら大丈夫?」
という質問をされます。
そんな時、ふとどれくらいが普通の量なのだろうという基準が無いことがわかりました。
なのでお酒の量について調べてみようと思ったので、その内容をまとめていこうと思います。
お酒に含まれるアルコールの量
まず初めに、お酒に含まれるアルコール量を見ていきます。
当たり前ですが、飲むお酒の種類によって、アルコールの含有量が異なります。
お酒に含まれる純アルコール量は、【摂取量(ml)×アルコ ール濃度】を計算し、出てきた値に0.8をかけることで表すことができます。
0.8は定数なので、計算した数値を0.8倍することでアルコールのg数を計算でき、数値化できるようです。
以下にそれぞれの飲料に含まれるアルコール量をまとめます。
| お酒の種類 | ビール
(中瓶1本500ml) |
清酒
(1合180ml) |
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml) |
焼酎(35度)
(1合180ml) |
ワイン
(1杯120ml) |
| アルコール度数 | 5% | 15% | 43% | 35% | 12% |
| 純アルコール量 | 20g | 22g | 20g | 50g | 12g |
適量の飲酒は、ストレス発散、食欲増進、血行改善、などの作用を示すため
健康に良い面を持っています。
適切なお酒を飲むことは、循環器系疾患や生活習慣病、消化管疾患などの病気に対して
プラスに働いてくれます。
適切な飲酒量
適量のお酒を飲むことは健康面に多少の+があることはわかりました。
様々なアルコール飲料に含まれるアルコールの量も計算することができます。
では、適切なアルコール量とはどれくらいをいうのでしょうか?
厚生労働省のHPでは、適切なアルコール量を下記のように定めています。
通常のアルコール代謝能を有する日本人においては「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールで約20g程度である。
※ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.6合に相当
上記の量が最もアルコールでの死亡率が低くなるようです。
また、20gは男性の基準料であり、女性では体格や代謝能の違いから、
半分の10g程度が最も死亡率が低くなる量とされています。
あくまでも、平均であるため、年齢や体格、個人のアルコール代謝能力で量は増減することはあります。
一般的に20g(ビール中瓶1本)のアルコールを分解するのに、男性ではおよそ2時間強、女性では3時間程度かかるといわれています。
飲酒量が多い人の基準
飲酒量が多い人の基準は、アルコール量で60gとされているようです。
(女性では半分の30gで該当すると考えられます。)厚生労働省の「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」では、
1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上と定義しています。
お酒はほどほどにし、健康的に飲みましょう。
お酒とお薬は一緒に飲めるのか
お酒を飲む人への服薬指導ですが、
結論を言うと、お薬とお酒は一緒に服用しないよう説明したほうがいいでしょう。
これは、アルコールの代謝には個人差があり個々人でどういった効果が出るか未知数だからです。
一般的にお酒を飲むと30分から60分くらいで血中最高値となると言われています。
アルコールの分解は通常だと1時間で体重1kgあたり0.1gと言われています。
体重60kgの人が20gのアルコールを接種すると、1時間あたり6gのアルコールが分解できます。
そのため約3時間程度時間が経てば体内からアルコールが消失すると考えられます。
そのため論理的には適量のアルコールを接種した場合
3時間程度時間を開ければ薬を服用することは問題ないと考えられます。
ですが、前述の通り体格差や性別、代謝能など不確定要素が多すぎるため、
飲酒をしたときは服薬を避けるよう指導したほうが良いと考えられます。
どうしてもお酒を飲みたい人への指導
ただし、どうしてもアルコールを飲みたいという患者様も多いです。
その場合は服薬のタイミングずらせないか考えたり、
別のお薬への変更を検討し、医師に提案する事が必要だと考えます。
また、お薬とアルコールの併用によって懸念されることは
アルコールの作用増強、アルコールによるお薬の作用増強、アルコールとお薬の薬力学的相互作用
の3点が問題と考えられます。
お薬によりますが、上記の3点に該当しないお薬であれば
お薬と飲酒は問題ないと思われます。
その場合もなるべく適正量の半分以下(男性なら10g以下)の量を飲酒することを進めると思います。
またアルコールの接種の有無は薬歴にも残す必要があり、
個別指導でも指摘される事項です。
アルコールの摂取状況
量や種類の確認
指導内容、漫然的な禁止はしない
など見られることが多いそうなので、
飲酒をしている患者様の薬歴には飲酒状況をしっかり記録し、
適切な指導をしていきましょう。
注意が必要なお薬
最後に特にアルコールとの併用を避けたほうがいいお薬をまとめておきます。
解熱鎮痛薬
・胃腸症状
・肝機能障害
上記の副作用リスクが上がります。
特にアセトアミノフェンとアルコールとの併用で肝機能障害のリスクは10倍以上となるので注意が必要です。
睡眠導入薬
・作用増強
・一過性健忘
睡眠導入薬を一緒に飲むと、効き目が強く出る可能性があります。
翌朝起きれなくなる、服用後の記憶がなくなるなどの副作用のリスクも上がるので
お酒との併用は避けたいお薬です
糖尿病薬
・低血糖
・脱水症状
・乳酸アシドーシス
肝臓での薬物代謝阻害による副作用の発現リスクが上がります。
血液が固まるのを防ぐ薬
・出血傾向
・脳出血
・胃腸出血
・下血
お薬の効果が増強することで副作用が起きやすくなります。
利尿薬
・利尿作用
・めまい
・血圧低下
アルコールの利尿作用とお薬の効果により利尿効果が強くなります。
抗うつ薬
・錯乱
・幻覚
・手の震え
・食欲不振
・悪酔い
お薬の血中濃度が上昇し、作用が増強されます。
軽度なものから生命に関わるような副作用が起きることがあるので
お酒との併用は避けてください。
参考文献:
治療薬マニュアル
健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚労省HP)
厚生労働省HP:健康日本21(アルコール)