夜尿症や夜間頻尿のお薬にミニリンメルトというお薬があります。
バソプレシンホルモンに作用することで尿量を減少させるお薬です。
様々な規格が販売されており、昔は小児のおねしょで処方されれていることが多いお薬でしたが
近年は高齢者の夜間頻尿にも処方されているようです。
水分制限など通常の錠剤とは違う服用方法をするので
始めてお渡しする時は若干焦ることの多いお薬ですが、規格によって禁忌の薬剤が違います。
今回はその点について理由と注意点をまとめていきたいと思います。
ミニリンメルトとは
ミニリンメルトは中枢性尿崩壊性の患者様に使用されるお薬です。
もともとは点鼻スプレーのお薬が発売されていましたが、
服薬コンプライアンスの症状や利便性のため錠剤が発売されたそうです。
ICCS(国際小児尿禁制学会)の治療指針では、6 歳以上の患者に対する第一選択の治療薬となっており、
バソプレシン受容体に作用することで抗利尿効果を発現します。
ミニリンメルト
| 規格 | 効能効果 | 用法用量 |
| 25μg 50μg | 男性における夜間多尿による夜間頻尿 | 成人男性には、通常、1日1回就寝前に50µgを経口投与 |
| 60μg 120μg 240μg |
中枢性尿崩症 尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症 (120μg 240μg) |
【中枢性尿崩症】 通常、1回60~120µgを1日1~3回経口投与 適宜増減 (1回240µgまで 1日720µgを超えない) 【尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症】 通常、1日1回就寝前に120µgから経口投与 (効果不十分な場合は、240µgに増量) |
注意点
夜尿症や夜間頻尿に使用するお薬のため水分摂取に関する注意があるお薬です。
また、排尿を止めるお薬なので、体内に水分が多い状態でこのお薬を服用すると
水中毒となるリスクがあるので注意事項を説明し、厳守してもらう必要があります。
飲むだけでなく、点滴や輸液による水分摂取でも副作用がおこりうるので
体内に水分を取り込む作業は極力避けるよう説明し、患者様や家族も理解できるよう
説明しましょう。
・投与の2~3時間前(夕食後)より翌朝迄の飲水は極力避ける
・過度に飲水してしまった場合は服用しない
・水分補給が必要となる急性疾患(全身性感染症、発熱、胃腸炎等)を合併している場合は服用しない
・就眠前の排尿を徹底すること
・倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等があらわれた場合には直ちに投与を中断し、医療機関を受
見落としやすい注意点・禁忌薬
ミニリンメルトには規格によって適応が変わるため注意が必要です。
特に25μgと50μgの低用量では、上記の注意事項に加えてより注意して処方しなければなりません。
主な注意点を以下に示します。
・男性用のお薬である事
女性での試験では有効性の十分なエビデンスが示されていないため女性への適応は取れていないため
女性への投与は適応外となるため注意してください。
・夜間多尿指数が33%以上、且つ夜間排尿回数が2回以上の場合にのみ考慮
24時間の総尿量の内、夜間の総排尿量が33%以上ある人が適応の対象となります。
夜間頻尿
夜間頻尿診療ガイドラインでは「夜間に排尿のために 1 回以上起きなければならないという訴えであり、そのことで困っている状態」と定義される。
・夜間多尿が原因の夜間頻尿に使用する
書いていて当たり前のように見えるが、
夜間頻尿の原因としては夜間多尿以外にも前立腺肥大症・過活動膀胱等の膀胱蓄尿障害など
多くの要因が関係している可能性がある。
これらの症状が原因でない夜間頻尿の患者様に投与となっている。
・利尿薬との併用禁忌
低ナトリウム血症の発現リスクが上がるため、併用禁忌となっている。
主に低用量のミニリンメルトは高齢男性が服用する機会が多くなる為、
利尿薬を服用している確率が大きくなるため注意したい。
なお、60μg〜の高用量は禁忌となっていない。
また、時間をずらしても併用は禁忌となるそうです。
・副腎皮質ステロイド含有の外用剤との併用禁忌
注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤などでステロイドが含まれているものは併用禁忌となる。
過去に低ナトリウム血症の発現があった患者様に副腎皮質ステロイド製剤の使用があったためとの事。
軟膏や貼付剤などは、全身曝露量が少ないため対象外となっている。
花粉症の時期や気管支喘息など内服薬と外用薬の併用禁忌は見落としやすいため注意したい。
なお、この副作用も60μg〜の高用量は禁忌となっていない。
詳細な理由は不明だが、低用量製剤の主な投与対象となりそうな高齢者において、
ステロイド併用による低Na血症が起こりやすい為、低用量のみに禁忌とされているそう。
しかし、高用量のミニリンメルトには記載がないが、
高齢者が薬の併用をする場合は注意したほうが良いと考えられる。
また、低用量を使用する際もアトピー性皮膚炎などステロイドの外用薬を広範囲に大量に
使用する場合も注意したほうが良いと考えられる。
まとめ
今回は夜尿症や夜間頻尿で使用されるミニリンメルトについてまとめました。
高用量と低用量では効能効果から禁忌が違うお薬なので、患者様が服用している
ミニリンメルトの規格は何なのかしっかり確認して相互作用を考えましょう。
また、高用量には低用量のような禁忌薬はありませんが、確かな理由は見当たりませんでした。
処方されている患者様に禁忌と思われるお薬が処方されている際は、
併用に関する注意点と副作用が起きた際の初期症状と対処法をお伝えするようにしましょう。
参考資料
ミニリンメルト各種添付文書、インタビューフォーム
ミニリンメルトOD錠25μg/50μg Q&A