抗ヒスタミン薬

【抗ヒスタミン薬04】 効果発現までの時間と作用時間

くしゃみ、鼻水に使う抗ヒスタミン薬
症状が辛いので早く効かせたい薬だと思います。
「どれくらいで聞いてきますか?」
多くの患者様から同じ質問を幾度となく受けました。そのたびにどのように答えたらいいか
悪戦苦闘していました。それもそのはず、基準や根拠がないからです。
今回はそんな質問に答えられるように、薬の効果発現の時間と定常状態になるまでの期間をまとめていきたいと思います。

効果を発現するまでの時間

基本的にはお薬の効果発現は、最高血中濃度到達時間(Tmax)が短いほど即効性があります。
なのですぐに効かせたい、頓服で飲みたい場合はTmaxが短い抗ヒスタミン薬を選択するようにします。
タリオンやザイザル、ジルテック、アレロックなどはTmaxが短いため、即効性のある抗ヒスタミン薬と言えるでしょう。
一方、エバスチンやゼスランなどはTmaxが長く、頓服的な使用は向かないと考えられます。

そうすると、Tmaxの長い抗ヒスタミン薬は不要かというとそうではありません。
基本的に抗ヒスタミン薬は定期的に服用を続けている場合は、定常状態となるため効果発現速度は最終的には重要ではなくなると言われている。効果発現の時間も大切ですが、それ以前にコンプライアンスを守り、毎日服薬することをしっかりお伝えするようにしましょう。

服用に対する注意点

定常状態に達すれば、最終的にお薬のTmaxはあまり影響しなくなることはお伝えしました。
ですが、定常状態Tmaxが短い方が、効果もすぐ出て服用回数も少ないものが多い為、メリットが多いように感じます。

ですが、注意点があります。
Tmaxが長い抗ヒスタミン薬で、半減期(T1/2)が長く服用回数が少ないお薬は持ち越し効果が起きやすく
翌朝に眠気の症状が起きやすいということです。
これには原因が2つほどあり、

・半減期が長いため、薬の成分が体の中に残りやすいと言う事。
・脳内のヒスタミンは昼間のほうが多く、夜間は減少している。
 そのため抗ヒスタミン薬の効果は夜間よりも昼間のほうが影響を受けやすくなる。

以上が考えられます。
中枢への移行が少ない第二世代の抗ヒスタミン薬は持ち越し効果は少ないと言われていますが、
服用回数が少なく半減期が長いものも多いです。
最も注意すべきは第一世代の抗ヒスタミン薬で半減期の長いものです。
昔からの習慣で同じものを飲み続ける患者様も多いですので、眠気や口渇の相談があった際には
これらの事もお伝えしてみて下さい。

第一世代 発現時間と効果時間  

医薬品名(成分名)最高血中濃度到達時間(Tmax)半減期(T1/2)定常状態までの時間
ポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン)約3時間約8時間約32時間(約1.5日)
レスタミン(ジフェンヒドラミン)約2時間約8時間約32時間(約1.5日)
ペリアクチン(シプロヘプタジン)約1.5時間約8時間約32時間(約1.5日)
タベジール(クレマスチン)約4時間約11時間約44時間(約2日)
アタラックスP(ヒドロキシジン)約2時間約20時間約80時間(約3日)
第一世代体内動態一覧

最高血中濃度到達時間は約2時間程度の物が多くみられます。
個人的な感想としては30分程度から効果が出てくる事が多い印象です。

第二世代 発現時間と効果時間

医薬品名(成分名)最高血中濃度到達時間(Tmax)半減期(T1/2)定常状態までの時間
ルパフィン(ルパタジン)0.9時間4.7時間約19時間(約1日)
ビラノア(ビラスチン)1時間10.5時間約42時間(約2日)
タリオン(ベボタスチン)1時間2.4時間約10時間(約0.5日)
ザイザル(レボセチリジン)1時間7時間約28時間(約1日)
アレロック(オロパタジン)1時間8時間約32時間(約1.5日)
ジルテック(セチリジン)1.4時間6.7時間約27時間(約1日)
デザレックス(デスロラタジン)1.7時間19時間約76時間(約3日)
アレジオン(エピナスチン)1.8時間10時間約40時間(約2日)
クラリチン(ロラタジン)2時間14時間約56時間(約2.5日)
アレグラ(フェキソフェナジン)2.2時間9.6時間約40時間(約2日)
エバステル(エバスチン)5時間18時間約72時間(約3日)
メキタジン(ゼスラン)6.7時間32時間約128時間(約5日)
第二世代体内動態一覧

第一世代のほうが効果発現が早い印象だったので最高血中濃度到達時間も早くなるかと予想していましたが、
添付文書上では、第二世代のほうが最高血中濃度到達時間も早いものが多くありました。
経験上、1-2時間程度で効果が出てくるとお伝えすることが多いです。
また、だいたい2週間位服用して、様子を見ることが多いですが、多くは2-3日程度から定常状態に達するため
服用継続の一つの考えとなりそうです。

まとめ

今回は抗ヒスタミン薬の効果発現時間について、最高血中濃度到達時間を用いてまとめてみました。
また、半減期から定常状態までの時間を計算してまとめてみました。
どれくらい服用して効果の有無を判定したらいいかの基準となると思います。

風邪の症状や花粉症、蕁麻疹などの投薬指導の際のひとつの目安としていきましょう。

参考
改訂版 類似薬の使い分け
各種 添付文書・インタビューフォーム

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KUSURIno

お薬のキュレーションサイト「薬剤師1年目の教科書」を運営。 保険調剤薬局で働く現役薬剤師が薬のことをもっと分かりやすく、実用的な知識として解説します。

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