漢方薬

【漢方薬09】小柴胡湯の特徴と考え方

構成生薬

生薬名効果
柴胡(サイコ)解熱作用  消炎作用  鎮痛作用  鎮静作用 
半夏(ハンゲ)鎮吐作用  去痰作用  平喘作用
黄芩(オウゴン)解熱作用  消炎作用  止血作用
人参(ニンジン)興奮作用  強壮作用  強精作用 
大棗(タイソウ)補脾胃作用  強壮作用 鎮静作用
甘草(カンゾウ)緩和作用  止渇作用  止痛作用
生姜(ショウキョウ)健胃作用  鎮吐・鎮嘔作用  食欲不振作用  発汗解表作用  鎮咳作用
構成生薬・効果

各会社によって構成生薬の配合比率が異なるので注意して下さい。
(配合比は違いますが、同じような効果を示すと言われています)

「柴胡」「生姜」以外の生薬は各社同じ配合量となっています。
前述の大柴胡湯から3つ生薬を削り、2つ追加した構成生薬となります。

「オースギ」「クラシエ」が錠剤を販売しています
散剤が苦手な患者様への選択肢になります。
医師によってはこの患者さんの症状に合わせて漢方薬を使い分けている場合があるので注意しましょう

販売製薬会社(医療用)と効能効果

小柴胡湯の効能効果は添付文書によると

1.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全
2.慢性肝炎における肝機能障害の改善

今までで珍しく、各社同じ適応となっています。
感冒に関する症状に多くの適応があり、若干の消化器系症状にも適応があります。

メーカーごとの味や剤形、特徴についてまとめます。

メーカー剤形その他の特徴
JPSわずかに甘味と苦味顆粒
東洋やや苦い細粒柴胡:小 生姜:多
オースギ初め甘く、後わずかかに辛い顆粒錠剤あり
クラシエわずかに甘く苦い細粒分2と分3の包装あり
錠剤あり
コタロー甘苦い細粒
ジュンコウやや苦い細粒
ツムラわずかに甘い顆粒
三和苦く、やや辛い細粒柴胡:小
大虎堂わずかに甘苦い顆粒
本草初めやや甘く後にわずかに苦い顆粒
特徴一覧

以上12種類(10社)の小柴胡湯があります。
各メーカーさん、構成生薬や量はほぼ同となります。
東洋製薬と三和製薬の生薬量が若干異なっています。

また、錠剤を出しているメーカーさんも有るため、
粉が苦手な患者様にはクラシエ製薬さんやオースギ製薬さんの錠剤が候補になるかと思います。

味は甘味や苦味のある漢方薬となっています。
味を気にする患者様は多いですので、そういった患者様にも錠剤は紹介しやすい漢方薬となります。

・特徴と使い方

初期のころからある柴胡剤で7つの生薬から構成されています。
大柴胡湯より穏やかな効果なので「小」柴胡湯と言われています。
大柴胡湯ほどではないですが、小柴胡湯も比較的体力がある人向けの漢方といえそうです。

小柴胡湯は、風邪などの症状が少し長引いている時(こじらせた時)に使う漢方薬と言われています。
通常の風邪が長引いている時以外にも、食欲不振などがある、胃腸症状のある風邪にも使われます。
症状としては口の中が苦くなるような風邪の症状に使われるそうです。

小柴胡湯の適応となる症状には、【胸脇苦満(きょうきょうくまん)】と言われる、
わき腹からみぞおちにかけて違和感がある症状に使うと良いとされています。
また、小柴胡湯には慢性肝炎から肝硬変、肝がんへの移行を抑制するとのデータもある為、
肝機能障害の緩和や治療に処方されることがあります。

小柴胡湯は慢性的な症状にも効果があると言われていて、耳下腺炎や中耳炎、リンパ節炎などに用いられる事もあります。
これらの症状に、より特化させた漢方薬に小柴胡湯加桔梗石膏などがあります。

小柴胡湯に含まれる「柴胡」は、「黄芩」と共に熱証を冷ますと言われており、
これにより、熱を冷ましたり、炎症を改善します。
また、「半夏」は「生姜」と共に吐き気を除きます。
これにより、胃の症状を改善し吐気などを改善すると言われています。
上記4種類の生薬は風邪の症状を改善する配合となるそうです。
残りの「人参」「大棗」「甘草」は共に使用する事で正氣を整え、不足を補う生薬となります。
これらの生薬は、ストレスによる不安、倦怠感、頭痛、肩こり、めまいを改善すると言われています。

小柴胡湯は添付文書に禁忌の表記があります。

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.インターフェロン製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
2.肝硬変、肝癌の患者[間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。]
3.慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者[肝硬変が疑われる。]

インターフェロンとの併用で、間質性肺炎での死亡例が報告されています。
小柴胡湯での間質性肺炎の発現委率は2万5千人中1人の割合と言われており、50~70代の年代に発現が多い傾向にあります。
他に報告されている漢方薬は小柴胡湯以外に「大柴胡湯」「半夏瀉心湯」「辛夷清肺湯」「清肺湯」「柴苓湯」などがあるようです。
これらの漢方薬を服用中に渇いた咳や発熱、呼吸困難などがあるようなら医療機関を受診するよう伝えましょう。

まとめ

小柴胡湯は比較的体力がある人に適した漢方薬です。
とても古い時代から記録があり、こじらせている風邪症状に使われることが多いです。
気管支や消化器の胸からお腹にかけての症状が気になる風邪に使用され、
お腹にくる風邪にも使いやすい漢方薬と言えます。

また、漢方薬の中でも禁忌の設定がされている漢方薬です。
処方監査の際は、併用薬や既往歴など確認してお薬を交付しましょう。

参考にさせて頂いた資料&ホームページ
小柴胡湯 添付文書各種
https://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
http://www.halph.gr.jp/
https://www.meijo-u.ac.jp/sp/harbal_medicine/2017/038.html
https://www.shinwa-seiyaku.co.jp/news/kaze_kanpo
https://square.umin.ac.jp/mayanagi/paper04/iware08.html
http://www.halph.gr.jp/goods/kan339.html
https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/019-49.html
https://www.min-iren.gr.jp/?p=27234

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KUSURIno

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