抗炎症薬(NSAIDs)とは?
炎症、痛み、発熱を抑える対症療法薬です。
抗炎症薬には大きく分けて副腎皮質ステロイドと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の2種類に分類されます。
今回は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)についてまとめていきます。
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジン(PG)の産生を抑制することで抗炎症作用を呈します。
現在は多くのNSAIDsが販売されており、今回は構造式から見たNSAIDsの分類とその特徴についてまとめていきます。
エノール酸系
いわゆるオキシカム系と言われる分類です。
血中除去半減期が長く、1日の投与回数が少ないという利点があり、慢性疾患に使用されます。
長時間作用型は服用回数が少なく安定した血中濃度を得られるため、日中の服用が難しい場合や
関節リウマチなどの長期間痛み止めが必要な慢性炎症に有利となります。
一方、高齢者や腎機能低下者では体内からの除去が遅れて副作用が発現しやすくなるので注意が必要です。
ピロキシカム(バキソ)
オキシカム系
・各種動物実験において優れた鎮痛・抗炎症作用を有することが認められている。
・経口投与後腸管から良好に吸収され、 炎症組織へ優れた移行性を示す。
・血中半減期はヒトにおいて36時間と長く、安定した有効血中濃度が長時間持続するので、1日1回投与で優れた臨床効果が期待できる。
・少なくとも投与後2週間を目処 に治療継続の再評価を行い、漫然と投与し続けることのないように注意
剤形:カプセル(10mg 20mg)
後発品:なし
併用禁忌:リトナビル【カレトラ ノービア パキロビッド(これらの添付文書には記載はない)】
| 効能効果 | 用法用量 |
| 下記疾患並びに症状の消炎、鎮痛 関節リウマチ 変形性関節症 腰痛症 肩関節周囲炎 頸肩腕症候群 |
20mgを1日1回食後に経口投与する。 適宜減量あり。 |
最高血中濃度:2.8~4.3時間
半減期:1.5日(36時間)
アンピロキシカム(フルカム)
オキシカム系
・アンピロキシカムは胃腸内で薬理活性を示さず、腸管で吸収される際、効果を示すプロドラッグである。
・アンピロキシカムは、ピロキシカムと同等の鎮痛・抗炎症作用
・ピロキシカムと同等の効果が認められ、胃腸障害の副作用発現はピロキシカムに比べて低い傾向を示した。
・1 日 1 回の投与でピロキシカムと同等の臨床効果が得られた。
・関節リウマチを対象とした長期投与試験において忍容性が確認された。
剤形:カプセル(13.5mg 27mg)
後発品:なし
併用禁忌:リトナビル【カレトラ ノービア パキロビッド(これらの添付文書には記載はない)】
| 効能効果 | 用法用量 |
|
下記疾患並びに症状の鎮痛、消炎 |
27mgを1日1回食後に経口投与する。 適宜減量あり。 |
最高血中濃度:4.0±0.0時間
半減期:41.9±2.2時間
メロキシカム(モービック)
オキシカム系
・比較的COX-2選択制が高い
・副作用発現率が低い
・20mg/回以上の服用から明確に副作用発現率が上がる(33%以上)
・高齢者では、少量(1 回 5mg 1 日 1 回)から投与を開始(慎重投与)
・10mg/回が副作用の発現と効果のバランスが良い
・ピロキシカム、ジクロフェナク、インドメタシンと二重盲検試験を実施し、有用性が認められている
・COX‐2選択制が高いが、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者が服用する場合は重篤な副作用が発現することがあるので注意が必要
・眼の調節障害,眠気等の精神神経系症状があらわれることがある(危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意必要)
剤形:錠剤(5mg 10mg)
後発品:あり
| 効能効果 | 用法用量 |
| 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ |
10mgを1日1回食後に経口投与する。 適宜増減あり。 1日最高用量:15mg |
最高血中濃度:5.0±1.0時間
半減期:23.7±5.3時間
ロルノキシカム(ロルカム)
オキシカム系
・原薬の錠剤からの溶出が早く、オキシカム系の中では速やかな血中濃度の上昇と体内からの迅速な消失を特徴とする
・高い鎮痛効果を示すが、解熱効果は軽微
・解熱効果が低いため、過度な体温低下が起きにくい
・鎮痛作用は末梢性のものと考えられている
・錠剤粉砕後のデータあり(粉砕しての投与は推奨していない)
・簡易懸濁後のデータあり
・オキシカム系で唯一「手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛」の効能あり
・ニューキノロン系との併用に注意がないので歯科領域で使いやすい
・COX-1とCOX-2をバランス良く阻害する
・COX-2を阻害しすぎない為、創傷修復時等の肉芽形成時に使いやすい痛み止めとなっている
剤形:錠剤(4mg 8mg)
後発品:あり
| 効能効果 | 用法用量 |
| 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ |
1回4mgを1日3回食後に経口投与する。 適宜増減あり。 1日最高用量:18mg |
|
手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛 |
1回8mgを頓用する。 |
最高血中濃度:0.63±0.09時間
半減期:2.30±0.14時間