抗炎症薬(NSAIDs)とは?
炎症、痛み、発熱を抑える対症療法薬です。
抗炎症薬には大きく分けて副腎皮質ステロイドと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の2種類に分類されます。
今回は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)についてまとめていきます。
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジン(PG)の産生を抑制することで抗炎症作用を呈します。
現在は多くのNSAIDsが販売されており、今回は構造式から見たNSAIDsの分類とその特徴についてまとめていきます。
カルボン酸系
サリチル酸系
投与量により異なる薬効を示し、高用量では解熱・鎮痛作用がある。
低用量で抗血栓作用を有する為、虚血性疾患の二次予防などに使われることがある。
リウマチ熱にも効果があるが、アスピリン喘息やライ症候群などの副作用が知られている。
アントラニル酸系
鎮痛作用が強く術後疼痛に有用。
アスピリン(アスピリン)
サリチル酸系
・視床下部の体温調節中枢に作用し、末梢血管の血流量を増加させて熱放散を促進する
・プロスタグランジン生合成を抑制することにより解熱作用を示す
・痛覚刺激によるインパルス発生の抑制、発痛物質の活性抑制、プロスタグランジン生合成抑制等の末梢作用及び中枢神経系の抑制により鎮痛作用を示す
・川崎病では、COX-1を阻害することにより、TXA2の合成を阻害し血小板凝集抑制作用を示す
・解熱鎮痛剤よりも抗血栓作用として使用される事の方が多い
剤形:原末
後発品:なし
| 効能効果 | 用法用量 |
|
慢性関節リウマチ |
1 回 0.5 ~ 1.5g |
|
下記疾患の解熱・鎮痛 |
1 回 0.5 ~ 1.5g を頓用 |
|
川崎病 |
急性期有熱期間:30〜50 mg/kg/日を3回に分けて経口投与 |
最高血中濃度:4時間
半減期:0.4〜2.4時間
メフェナム酸(ポンタール)
アントラニル酸系
・中枢性の鎮痛作用と末梢性の消炎作用の双方を有する
・小児の急性上気道炎に適応を有する
・過度の体温低下、虚脱、四肢冷却が現れることがある、小児や高齢者は服用後の患者の状態に注意する
・カプセル剤:脱カプ後も比較的安定(推奨はされていない)
・アルコールと2g程度のメフェナム酸を併用することで持続性の痙攣の報告あり
剤形:カプセル(250mg)、シロップ、散(50%)細粒(98.5%)
後発品:なし
| 効能効果 | 用法用量 |
| 手術後及び外傷後の炎症及び腫脹の緩解 下記疾患の消炎・鎮痛・解熱 変形性関節症 腰痛症 症候性神経痛 頭痛(他剤が無効な場合) 副鼻腔炎 月経痛 分娩後疼痛 歯痛 |
成人1回500mg、その後6時間毎に1回250mgを経口投与 適宜増減あり |
| 下記疾患の解熱・鎮痛 急性上気道炎 (急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む) |
【成人】1回500mgを頓用 1日最大1500mgを限度 【幼小児(散・細粒・シロップ)】 1回6.5mg/kgを標準用量として頓用 適宜増減あり 原則1日2回まで |
最高血中濃度:2時間
半減期:4時間
コキシブ系
COX2選択的に阻害する。
中性のNSAIDsとも言われている。
副作用が少なく、強力な鎮痛作用を有している。
過去に心血管系のリスクが高まるとの報告があったが、今ではすべてのNSAIDsに
同様のリスクがあると結論されている。
セレコキシブ(セレコックス)
コキシブ系
・炎症時に誘導されるCOX-2を選択的に阻害する
・日本で始めて承認されたコキシブ系
・心血管系の副作用の可能性を十分に考慮し、服薬中の患者個々の状態をよく観察する必要がある(服用18ヶ月を超えたあたりからリスク高まる)
剤形:錠剤(100mg 200mg)
後発品:あり
| 効能効果 | 用法用量 |
| 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ |
1回100~200mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与 |
|
下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 |
1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。 |
|
手術後、外傷後の消炎・鎮痛 |
【通常】 初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与 投与間隔は6時間以上あける 【頓用】 初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与 1日2回まで |
最高血中濃度:2時間
半減期:5-9時間
塩基性
腎障害の患者様にも使える。
副作用は少ないが、抗炎症作用が弱いとされている。
チアラミド塩酸塩(ソランタール)
ベンゾチアゾリノン系
・非ステロイド・非ピリン系の塩基性鎮痛・抗炎症剤である。
・急性炎症性・疼痛性疾患に対しての有効性が認められている
・3.28%に副作用が認められた。その大部分は、食欲不振、胸やけ、悪心等の消化器症状で、それ以外には発疹、頭痛、浮腫等がみられた
・酸性NSAIDsより作用は弱めだが、胃腸障害・腎障害が起きにくいといわれている
・解熱効果は軽微
・炎症部位の「ヒスタミン」や「セロトニン」をブロックすることで炎症を抑え、痛みを和らげる
・主に他の解熱鎮痛剤が使用できない時に選択される
・酸性、中性のNSAIDsにはない効能効果がある
剤形:錠剤(50mg 100mg)
後発品:なし
| 効能効果 | 用法用量 |
|
手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎 抜歯後の鎮痛・消炎 |
1回100mgを1日3回経口投与 適宜増減あり |
|
下記疾患の鎮痛 |
1回100mgを頓用する。 適宜増減あり 原則として1日2回まで 1日最大300mgを限度 |
最高血中濃度:1時間
半減期:1.3時間