カロナール錠は風邪、熱、咽頭通、頭痛、関節痛、生理痛、多くの場面で使われるお薬です。
小児の解熱鎮痛、妊婦さんの解熱鎮痛、ウイルス感染症での解熱では必ずと行っていいほど処方されます。
投薬する機会が多いお薬ですので、効果や注意点をしっかりおさえていきましょう。
カロナールとは
カロナールは解熱鎮痛剤の一種で『アセトアミノフェン』が主成分です。
アセトアミノフェンは1893年に初めて医薬品として用いられました。
多くの研究データが有る為、赤ちゃんや授乳中のお母さんでも安心して使用できる成分であり、幅広く使用されています.
また、剤形も多く存在しており、錠剤や坐薬、粉薬、ドライシロップ、シロップ製剤など多くの種類があり、その時の症状や個人にあった形で服用することができるお薬です。
カロナールの効能・効果
カロナールは古くからあるお薬ですので、多くの症状に対して効果があることが分かっています。以下に添付文書の内容を抜粋します。
◎各種疾患及び症状における鎮痛
◎下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
◎小児科領域における解熱・鎮痛
カロナール錠200・カロナール錠300・カロナール錠500 添付文書
以前までは細かく適応が記載されていましたが、今は鎮痛目的であればほとんどの症状で使用することができます。
カロナールの禁忌
カロナールは比較的安全と言われていましたが、禁忌事項に関しては他の解熱鎮痛剤と同じ内容が多く含まれていました。
2023.10.12に厚生労働省から改定の通知が来たことで今は禁忌事項は少なくなっています
とはいえ、禁忌の項目から慎重投与へ変更になっている為、投薬の際は患者様の既往歴、症状の情報を見て調剤を行う必要があります。
旧禁忌
・消化性潰瘍のある患者(症状悪化のおそれあり)
・重篤な血液の異常のある患者(重篤な転帰をとるおそれあり)
・重篤な腎障害のある患者(重篤な転帰をとるおそれあり)
・重篤な心機能不全のある患者(循環系のバランスが損なわれ心不全増悪のおそれあり)
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)またはその既往歴のある患者(アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる)
↓
新禁忌
・重篤な肝障害のある患者
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
カロナールの用法・用量
カロナールの用法・用量は、症状や服用する方の年齢などによって異なります。
カロナールの添付文書には以下のように記載されています。


カロナールの仕組み(薬理効果)
古くから使用されているカロナールですが、どのようにして効果が出ているのかは完全には解明されていません。
プロスタグランジンの生成抑制や痛みの閾値を上げる効果で疼痛効果を発揮しているとも言われています。
抗炎症薬ではありますが、そういった特徴からNSAIDsからは除外されて語られることが多いお薬です。
またアセトアミノフェンはCOX-3を選択的に阻害し、解熱鎮痛作用を発揮するとも言われています。
COX‐3は心臓や大脳皮質に多く存在し痛みに関与していると言われている物質です。
一方でCOX‐3の存在を否定する意見もあるため、今後の研究によっては新しい発見があるかもしれません。
服薬指導のポイント(良い点)
①多くの人で比較的安心、安全に使用できる
使える薬が少ない小児、授乳婦さん、妊婦さんでも比較的安全に使用することができます。
【※生後3か月未満の小児への安全性は確立されていないので注意】
【母乳中への移行が確認されているお薬(推定0.1%程度)】
【妊娠後期は胎児に影響がるといったデータもあるので注意必要】
②胃への負担が軽い
他の解熱鎮痛薬は胃の負担となることが多いお薬ですが、お薬の作用する点が異なる為、比較的胃への負担が比較的軽い痛み止めとなっています。ただし、体質的に胃が弱い人は空腹時の服薬は控えるように指導しましょう。
【※進行性の消化器疾患を持っている人は慎重投与となるので注意】
③お薬の効果が早い
比較的早く効果の出るお薬で、約60分くらいで効果が出てくるお薬になります。効果時間は6時間程度。
糖質の多い食べ物が胃にあると吸収が遅くなるのですぐに効かせたい場合は、糖質の多い食事とは間隔をあけるように説明しましょう。
胃の負担を気にされる人にはコップいっぱい以上の多めの水で服用するよう説明してください。
④安価で色々な剤形がある
昔からあるお薬の為、とても安価なお薬です
錠剤の200mgなら6.7円/錠 300mgなら7.0円/錠となります。
長期で服用する際は、金銭的なメリットが出てくるでしょう。
また、剤形が多く存在しているため、錠剤の飲めない小児や高齢者には粉薬を選択することができます
また、吐き気が強く、口から薬が飲めない場合は坐薬を使うこともできるため、どんなケースでも薬を使用することができるので
とても使い勝手の良い薬となっています。

服薬指導のポイント(注意すべき点)
①苦みがある
主成分のアセトアミノフェンは苦みがあります。
錠剤になっていれば苦みは無いですが、噛み砕いたり、つぶして服用すると苦くなるので服用する際は注意してください。
小児に使用する事が多い、カロナール細粒はオレンジ味がついてますが、オレンジ味の後ほろ苦い味がしてきます。
飲めない場合は牛乳やココアなどに混ぜると比較的飲みやすくなります。ヨーグルトやプリン、ジャムでも良いです。
②肝臓に病気がある人は注意
カロナールは、90~100%が肝臓で代謝される肝代謝型の痛み止めです。
腎機能が落ちていても使える反面、肝機能が低下している患者様には注意が必要です
高用量のアセトアミノフェンが処方されていないか、処方されている場合は定期的な肝機能の検査をしているか確認しましょう。
③お酒との併用は控える
アルコールとアセトアミノフェンは肝臓での代謝が競合します。
分解過程でできた途中の物質は肝臓の機能障害を起こします。
お酒を大量に常用している人が、高用量のカロナールを長期で服用すると重篤な肝障害を起こす危険性があります。
カロナールを服用している間はお酒は控えましょう。
④配合剤が多く重複しやすい
アセトアミノフェンが配合されている薬は多くあります。
内科や整形外科で処方されることが多いため、重複しているケースを多く見かけます。
医師が把握した上での服薬なのか、上限量は問題ないのか監査して調剤を行いましょう。
⑤アスピリン喘息のある人は注意
疼痛目的なら4000mg、急性上気道炎であれば1500mgまで使えるカロナールですが、
アスピリン喘息または、その既往のある患者様には1回300mg以下とする記載があります。
過去に痛み止めで発作の症状が出たことないか既往歴等確認しましょう。
まとめ
以上、カロナールについてでした。
発熱や疼痛時に頻繁に処方されるお薬で、多くの患者様で比較的安全に使用することができるお薬です。
症状によって使用できる上限量に違いがあり、小児は体重で服用量が変わります。
多くの人が使える一方で、注意が必要な人もいます。
投薬する際には、飲酒の有無やアスピリン喘息の既往、ほか製品との重複投与に注意していきましょう。
お薬の特徴を把握して、患者様の要望にしっかり答えていきましょう。
【参考】
カロナール錠200・カロナール錠300・カロナール錠500 添付文書
カロナールシロップ2%添付文書
カロナール細粒20%・カロナール細粒50%添付文書
カロナール原末添付文書
カロナール坐剤小児用50添付文書
カロナール坐剤100・カロナール坐剤200・カロナール坐剤400添付文書